2013年 06月 04日 ( 1 )

唄力



5月27日の夕刊(朝日新聞)によると,昭和の歌声として,田端義夫,美空ひばり,三波春夫の古い音源を保存するため,映画化して公開する試みが始まっているという。

その中で,三波春夫(1923-2001)の映画は,平成25年6月22日公開予定の『歌藝~終り無きわが歌の道』。

1964年,三波春夫が30歳になったばかりの頃の録音「元禄名槍譜 俵星玄蕃(たわらぼしげんば)」をNHKラジオ深夜便で聴いた。8分を超える自作(作曲 長津 義司)の歌謡浪曲を唄いきる若々しく,ダイナミックな,想像を絶する三波春夫の声の張りが素晴らしい。唄力という言葉が頭に浮かんだ。

やたらに大きな声をはりあげてワーワー歌うのが,筆者がここで言う唄力ではない。唄力の条件を満たすのは,三波春夫全盛期の録音「元禄名槍譜 俵星玄蕃」のような心のこもった歌である。同じく,深夜便で聴いた20 歳になったばかりの田端義夫の「大利根月夜」(1939年録音)にも,その際立った唄力に圧倒される。

最近は,唄力という言葉を思い浮かべる唄はないといってよい。

残念なことである。感動を生むのは,やはり唄力である。
by yojiarata | 2013-06-04 23:17 | Comments(0)