2012年 08月 08日 ( 1 )

NMR と 金メダル



筆者は,核磁気共鳴(NMR)を友として,50年以上を過ごしてきた。NMRは,現在では誰一人として知らない人のない MRI の原点となる方法である。日本でも核磁気共鳴学会を研究の場としている研究者が大勢いる。

現在,世界中に多くのNMR 研究者がいるが,筆者の知る限り,オリンピックに出場して金メダルをとったのは,Britton Chance (ペンシルバニア大学ペンシルベニア大学医学部のE・R・ジョンソン・生化学・生物物理学名誉教授,1913-2010)だけである。

Britton Chance は,1952年のヘルシンキ・オリンピックの5.5m 級・セーリング競技にE. White, S.White ともにに出場し,金メダルに輝いた。フィラデルフィアで一度会ったことがあるが,巨大な体格,自由奔放な私生活,97歳で他界する直前まで,幅広く活躍していた。オリンピック はやはり体力だなと痛感する今日この頃である。

付け加えるならば,1952年のこのオリンピックには,日本が戦後初めて参加した。戦後すぐの頃から,400メートル,1500メートル自由形で次々に世界記録を更新した古橋広之進(1928-2009)の名前はフジヤマのトビウオとして世界中に知れ渡っていた。しかし,1950年を過ぎて,古橋の泳ぎは年齢と共に輝きを失い,ヘルシンキでは最下位の八位と惨敗した。

筆者が大学に入った年だった。もちろんテレビなどなく,我々日本人はラジオに噛り付いて声援を送っていた。

あの時のアナウンサーの叫び

“日本の皆さん どうか古橋を責めないでください!!!!!”

を今でも時折思い出す。
by yojiarata | 2012-08-08 17:00 | Comments(0)