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夜のプラットホーム  二葉あき子  国鉄・宇野線  滝田ゆう



ご隠居さん 今日は何だかゴジャゴジャ入っている 「混ぜ御飯」 のような話のようですね。


***



そう言えなくもないだけど,筋は通っているつもりです。ま 読んでみてよ。私が書くんだから,行きつく先は想像できると思うけど。


この間,いつものように,NHK第1のラジオ深夜便を聴いておりました。そこで,聞こえてきたのが,二葉あき子が唄う『夜のプラットホーム』。それとともに,いろんなことが,ワーッと頭の中を駆け巡り,ブルブルっと震えがきたよ。


『夜のプラットホーム』 (奥野椰子夫作詞,服部良一作曲)は,1947年(昭和22年),二葉あき子が歌って大ヒットしたんだ。私が中学2年の頃だね。



♪ 星はまたたき 夜ふかく

鳴りわたる 鳴りわたる

プラットホームの

別れのベルよ

さよなら さよなら

君いつ帰る

・・・・・





ネットに載っている,大きな針音とともに聴く 二葉あき子 は実に素晴らしいよ。


*



話は,70年前にさかのぼるよ。

私たち一家は,1945年6月28日の早暁,B29の焼夷弾攻撃によって,岡山市が全焼した後,母の実家に居候していました。私は朝早く起きて,一里(4キロ)の道を歩いて,入学したばかりの中学校に通っていたんだ。子供の急ぎ足で,大体1時間の距離だね。ときには,国鉄・宇野線 (岡山駅-宇野) で 大元 (おおもと) ― 岡山駅間を利用することもあったよ。運転間隔が空いていたから,滅多に乗ら (れ) なかったんだけど,汽車のことは,何故か鮮明に記憶しているんだ。

赤いランプを付けてホームから遠ざかっていく汽車を,観るとはなしに見送っていた記憶があるんだね。『夜のプラットホーム』 の記憶が頭に焼き付いているのは,そのためじゃないかと思うよ。

その記憶は,今,私の手元にある,

滝田ゆう 『昭和ながれ唄』 (旺文社文庫,1983)

の表紙の絵とピッタリ重なるんだ。


夜のプラットホーム  二葉あき子  国鉄・宇野線  滝田ゆう_a0181566_16591737.jpg



わたしは,滝田ゆう (1931-1990)は凄い人だと尊敬しています。お酒を飲みすぎて早死にしてしまったのが残念だね。玉ノ井遊郭のど真ん中に生まれて育った滝田ゆうの生活ぶりは,『寺島町奇譚』などの著作に残されています。私の本箱には,ハードカバー,文庫本など10点近くが並んでいるよ。

滝田ゆうは,戦前,戦後の日本の精神的な惨状,戦争の悲惨さを,ユーモアいっぱいに書き残しています。凄いよね。


***


話を,『 夜のプラットホーム 』に戻すよ。

当初 は1939年(昭和14年)公開の映画 『東京の女性』 (主演:原節子)の挿入歌として淡谷のり子が吹き込んだけど,出征する人物を悲しげに見送る場面を連想させる歌詞があるとして,戦時下の時代情勢にそぐわないと検閲に引っかかり,同年に発禁処分を受けたと,ウェブサイトに記載されています。

とくに,3番まで,歌詞の結びに出てくる


♪ さよなら さよなら 君いつ帰る



が,検閲にあたった内務官僚の連中のお気に召さなかったようだね。自分の娘だったら,彼らもそんなことが出来たのだろうか。


急に思い出したんだけど,小林多喜二を惨殺した特高の連中は,相手がたとえ自分の息子であってもそうしただろうか。あり得ないよね。すべて他人事だからできるんだよ。


断っておくけど,「あれは,戦争中の出来事だった,心より反省しております」 とテレビカメラの前で,心にもないことをもぞもぞ喋りながら,最敬礼する次元の話ではないからね。


最近目立つのは,何か,お気に召さないことがあると,政府筋は,マス・メディアに何かと口を出すようになったでしょう。そのための法整備は,着々と進んでいるよ。安倍大臣を頂点とする今の内務官僚の連中も,頭の中身は,特高警察の頃と,本質的には,何も変わってないんじゃないの。


”津波被害を最優先の課題として取り組んでまいります”,”拉致問題に解決がなければ,わが内閣は成り立たないのであります” ・・・・・ 映画でいえば,「予告編」のようなもので,派手な宣伝ばかりで何も実現してないじゃありませんか。


自分の宣伝となると,実に見事で,イギリスの王子様と福島に現れて,記者会見で,あること,無いことをぶちかますんだ。そのあと,素早く,どこかの高校の卒業式に出席して,将来の日本を背負ってほしいと,”歯の浮く”ようなことを言っていたね。テレビのコマーシャルは五月蝿いけど,人畜無害だよ。だけど,この手の宣伝は,有害以外の何物でもないね。この男が,一国のボスだと思うと,恥ずかしいよね。怖いよね。


空いた口が塞がらないとは,このことだね。


落語じゃないけど,「馬鹿馬鹿しいお笑い」になるから,これで止めます。


止める前に一言。

『夜のプラットホーム』 のあとに 二葉あき子が発表した 『 別れても 』 も,私の少年時代の記憶に残る曲です。大人の唄だけどね。



♪ 空になる凩(こがらし)

雨戸うつ吹雪

冬の夜は更けてゆく

・・・・・





最初に書いたけど,一里の道を歩いて中学に通っていたんだけど,ぴゅうぴゅう凩が吹く晩秋から冬の頃は参ったね。

宇野線は運転間隔があいていて,滅多に利用できないし。そんな時,何とか家にたどり着いて,コタツにもぐりこんだんだけど,記憶は,何故か,ラジオで聞いた 『 別れても 』 に戻るんだ。記憶というのは,不思議なものだね。


 


未完

by yojiarata | 2015-03-01 23:03
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