満州の妖怪 と その末裔  安倍一族  巻の5






その後の日本




その後の日本については,現在,すべての日本国民が,世代に応じて,各人各様の経験と考えをもっているよ。例えば,君には君の考えがあるでしょう。だけど,過去百年の時の流れについては,ここで改めて,知識を整理しておかなければね。使い古された詞だけど,温故知新というでしょう。


満州における関東軍の独走から,日中戦争,そして太平洋戦争にいたる時代の流れについては,

加藤陽子『シリーズ日本現代史⑤ 満州事変から日中戦争へ』(岩波新書,2007)

加藤陽子『それでも,日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社,2009)

で,明快に語られているよ。




私の太平洋戦争 


戦争が始まった昭和16年12月8日,私は小学校の2年生。その頃の記憶は,ほとんどないよ。かすかに,たぶんラジオから聞こえてきた「軍艦マーチ」が耳に残っているだけです。

その後は,大変だったよ。恐ろしかったよ。

1) 昭和20年6月29日,私の町・岡山は,たった一度の空襲で全焼。

2) B29から雨あられと落とされた無数の焼夷弾,落ちる音が恐ろしいんだ。バケツの水を一度のひっくり返したような,大量を大豆を行李の中に流し込んだような,ザーという音だった。

3) 岡山市が全焼した後,集団疎開。弟・5年生,妹・1年生,そして私6年生だった。まだ1年生の妹は毎日悲しがっていました。親元を離れるなんて,もちろん初めてだしね。

4) それに,毎日,お腹が空いて,空いて。夢に見るのは,「父母」と「ごはん」。情けなかったね。

5) 8月15日に,天皇陛下の敗戦の詔勅を聴きました。悲しそうな声で,何でも,「堪えがたきを堪え・・・・・」とか言っておられるような気がしました。そもそも,天皇陛下の声を聞くことなど,それまで,普通の国民にはなかったからね。

6) 先生は,「神国・日本は負けたんだ」と号泣。後で知ったんだけど,陸軍大臣・阿南惟幾は,遺書を残して自決。

遺書には、「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル 昭和二十年八月十四日夜 陸軍大臣 阿南惟幾 神州不滅ヲ確信シツツ」 と書いてあったそうだよ。

角田房子さんの著書に詳しく書かれています。

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新潮社,1980



7) その後しばらくは,どうにも大変だったよ。停電ばかり,ガスを灯りにするためのヘンテコリンな道具を使ってみたけど,ほとんど役に立たなかった。

書いているときりがないので止めます。

若し興味がおありなら,拙書 荒田洋治『昭和一桁最終便覚え書』(アドア出版,1995)を御覧ください。ただし,この本,売れた気配は全くなく,出版社も敢え無く倒産しました。





つづく

by yojiarata | 2014-10-15 10:46 | Comments(0)
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