ご隠居さん お風呂のことを書くつもりらしいけど,お風呂はあまり好きじゃないんでしょう。
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厳密にいえば,そうなんだけど,風呂なる詞がいつごろから,歴史に登場するのか興味があるでしょう。
熊楠先生の手紙の ” 破片 ” を引用するよ。
「全集 9」
岩田準一宛書簡
昭和六年十二月十四日早朝三時ごろ認む,夜明け出す
112ページ
【〇湯屋風呂。お察しの通り,浴場浴室のこと。『甲陽軍艦』巻九下,天文十四年の条,「風呂はいずれの国にも候えども,云々」。京伝の『骨董集』上編下後巻の二三条をみれば,文治・承久ごろの書『今物語』,ある僧板風呂に入りしことあり,また文永三年の『日蓮御書録』,『太平記』延文五年の条,風呂なる詞あるを引けり。鎌倉幕府の初期すでに風呂なる詞ありしなり。浴湯のことにて,茶の湯など初まらぬときのことなり。
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