「全集 2」 601ページ 砂糖と塩 越前の飯降山(三号一八二頁) 【・・・・・ むかし支那帝,群臣に,人の命を続くるに何が一番大切の物ぞと問うた時,よく進んで対(こた)えたる者二人のみ。一人は塩,他の一人は砂糖最も必要と申す。そこで,帝みずからこの二物を嘗(な)め試みると,塩味が糖味に劣ったから,塩最も必要と答えた賢人を海に沈めた。爾後永々天気悪く,少しも塩採れず,帝ここにおいて大いに困り,砂糖よりも塩の大必要なるを了(さと)った。一日食に臨んで塩なきを歎(かこ)ちおると,多少の塩が案上(つくえのうえ)に降った。その日がちょうど五月一日だった。それかま毎年この日に,かの塩を讃めて海に沈めらた賢人のために海上を祭式をおこなうに,櫓を動かすごとに,「ピロ」と呼び,太鼓と鉦(かね)でこれに応ずるが恒例で,ために塩常に乏しからず。「ピロ」とは件(くだん)の賢人の名だ,とある。 ・・・・・ 『公事根源』に,高辛氏の悪子,五月五日船に乗って海を渡る時,暴風で溺死し,水神となって人を悩ます。ある人五色の糸もて粽(ちまき)をして,海に投げ入れしに,五色の蛟竜となる。爾来海神が船の禍いすること止んだ。往昔支那にかようの伝説あって,それより排竜など行事も生じたものか。】
by yojiarata
| 2014-07-20 08:35
|
外部リンク
最新の記事
メモ帳
荒田洋治 昭和一桁最終便 覚え書 (アドア出版, 1995,絶版) 荒田洋治 昭和平成春夏秋冬 改訂・Web 版 (2016) 左クリックして ください。 これまでにこのブログに掲載した記事は,以下の通り,年度,月別に掲載されています。 以前の記事
2018年 09月 2018年 07月 2018年 05月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 02月 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||