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小言幸兵衛 猛暑で爆発するの記 その3




ご隠居さん 今日もご機嫌斜めのようだね。不愉快なことがありそうだね。


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山のようにありますよ。今日は ”病気” について話したいと思います。

小生は,生物学的には,病気のデパートのような状態で,このところ,お世話になっていないのは,小児科と婦人科だけ。

ある時,雑談好きで面白い内科の先生がこんなことをおっしゃったんで,飛び上がらんばかりに驚いたんだ

今回,基礎の研究室の教授を専攻したんだけど,提出された重要な10編の論文の別刷りを見たところ,そのすべてが,Nature, Science, Cell だったそうなんだ。結局その方が教授に選ばれたんだ。内科の先生は,得意になっておられたので,何もそれ以上は聞かなかったけれど,小生は何だか変だなと思ったよ。

良い論文が NSC に載るのはいいけれど, NSC に載ったからといってよい論文とは限らないよ。あたりまえでしょ。選ばれた先生のこともよく知っているけれるけれど,あまり感心しないね。

ところが,現在は, NSC は 金科玉条。これは病気ですよ。 NSC 病とよんでおくよ。

小生が昔,『生物物理』に書いた記事をまず,読んでほしいんだ。

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話は急に変わるけど,これまでの話と密接に関係しているんだ。

今から,博物学の巨人・南方熊楠 (1867-1941)の話をするよ。彼の著作は,南方熊楠全集第一巻-第十巻,別巻第一,別巻第二(平凡社,1973)に収められているけれど,とにかく猛烈な人ですよ。ロンドンの大英博物館で大ゲンカしたり,いろんな武勇伝を聞いているよ。


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さっき,NSC 病の話をしたけど,日本人で,これまでに,Natureに最も多数の論文を載せたのは,熊楠おじさんですよ。60編以上になるよ。もっとも,熊楠おじさんの頃は,博物学の記事が全般的に見て多いね。Natureというのは,もともとはそういう雑誌だったんだよ。

船には, ・・・ 丸という名前がつくでしょ。秀吉の頃に遡って,だれの船が, ・・・ 丸と名のついた最初かなど,いろいろ書いていますよ。面白いね-!

とにかく,NSC 病信者が崇拝するNatureは,もともとは楽しい雑誌だったんだよ。

いろいろ知りたい人は,『南方熊楠全集10』をご覧ください。

明治13年,十三歳一ヶ月の南方熊楠が和歌山中学校在学中に執筆した作文「教育ヲ主トスル文」が残っているよ。13歳だよ。

《是ヲ以テ人ノ父母タルモノ、子ニ旨味ヲ食セシメ繍錦ヲ着セシムル事ニ注意センヨリハ、当ニ幼時ヨリ学術ヲ勉励セシメ、人道ヲ了知セシムル事ヲ務ムベキナリ。》

とにかく物凄い人だね。

いまも,雷が鳴ってパラパラと来たけど,涼しくならないね。

このブログは,季節限定だから,近くお終いにしなくちゃ。


つづく

by yojiarata | 2013-08-18 21:22
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