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鎮静剤をラジオ番組に聴く



今日この頃は,テレビもラジオも騒々しい番組が多く,超後期高齢者となった筆者は大変困惑している。

その中にあって,筆者が気分を休めたいときに好んで聴くのは,NMRラジオ第2,午後10:00-10:20の「天気概況」である。


例えば,7月19日の番組

「気象庁予報部発表の7月19日午後6時の気象通報です。」

「はじめに,今日午後6時の各地の天気をお伝えします。石垣島では,東の風,風力は4,天気は曇り,気圧1009ヘクトパスカル,気温28度でした。 ・・・・・」

以下,各地の天気が10分近くに亘って延々と続き,

「おしまいに,富士山では気温5度でした。」

で終わる。

「次に,7月19日午後6時の船舶の報告をお知らせします。南シナ海の北緯20度,東経114度では,東の風,風力4,天気は不明,気圧も不明,東シナ海の北緯30度,東経128度では,南南西の風,風力3,天気は晴れ,気圧は不明, ・・・・・」

「続いて,7月19日午後6時の漁業気象です。オホーツク海では,所々濃い霧のため,見通しが悪くなっています。日本の東からアリューシャンの南にかけての北緯37度,東経141度,同じく42度142度,48度151度,55度162度,60度164度,60度180度,40度180度,38度160度,36度150度,およびもとの北緯37度東経141度の各点で囲まれた海域では,所々,濃い霧のため,見通し悪くなっています。 ・・・・・

日本のはるか東の北緯39度東経164どには,1020ヘクトパスカルの高気圧があって,ほとんど停滞しています。同じく33度142度,33度145度,55度147度,37度146度を通ってもとの北緯36度東経142度にもどっています。

以上,気象庁予報部7月19日午後6時発表の気象通報でした。


***


現場の人々にとっては,必須の情報であるが,ただその恩恵をこうむる側の我々にとっては,いわば”生データ”であり,お経を聴いているようなものである。これによって,無の世界に落ち着くことができる。

これがよいのだ。ぼんやりと意味も何もない,お経のような「天気概況」を聴く20分は,素晴らしい鎮静剤の効果がある。少なくとも,筆者にとっては。
by yojiarata | 2013-07-20 20:20
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