日本銀行の次期総裁の話題がニュースを賑わしている。 総裁候補,副総裁候補(2名)が話されるのを聴いていて,少年の頃毎日のように歌っていた を思い出した。
我々少年を含めたほとんどの日本人は,日本の勝利を疑わなかった。神風が吹いて,日本は必ず勝つ。一億総決起しようとの言葉が巷に満ち溢れていた。しかし,石油など,自国の資源がなく,日本は敗れるべくして敗れた。 日銀総裁の選出が,突如としてこのブログに飛び火したのは,候補者3人が揃いも揃って,安倍総理大臣に忠誠を誓い,” 3名の肩にかかった責任の重さを痛感し,身を捨てて仕事にかかり,もし2年後に成果が出なかったら切腹する” という意味の発言をされるのをテレビで聞いたからである。 日本銀行の建物は,イギリスのジョシア・コンドルが育てた日本人建築家の一人・辰野金吾によって,中央停車場(現在の東京駅),奈良ホテル,両国国技館(現存しない)などと共に設計された。ベルギー国立銀行を模して1896年に竣工した日本銀行は,今に至るもその静かな佇まいを見せている。 日本銀行総裁といえば,筆者には直ちに一萬田 尚登( いちまだ ひさと, 1893 - 1984 )の名前が頭に浮かぶ。一萬田は第18代日本銀行総裁 (1946-1954) を務めたあと,大蔵大臣(第58・59・60・63代),衆議院議員(5期)などを歴任した。 日本銀行総裁としての一萬田の在任期間は歴代最長の3115日。筆者が中学生から大学入学頃にかけて,新聞やニュース映画(当時は,映画を見に行くと,おまけとして,数分のニュース映画が映画の前に上映されていた)でみた一萬田の鋭い眼光の目つきと彫りの深い容貌。日本銀行総裁というのは威厳があって,哲学者のような人物であるとの印象をもった。 日銀総裁は,総理大臣によって指名され,国会の同意を得て選出されることは百も承知している。しかし,こうして選ばれた日銀総裁が,まるで総理大臣の操り人形のように,お国のために働くというのは筋が違うと思う。筆者が理解するところでは,日銀総裁は思考の上では総理大臣とは独立の哲学者であり,況んや政治のどぶの中に身を投じるなどということなどあってはならないのではないか。 以下,日本銀行法(最終改正:平成二十三年六月二四日法律第七十四号)の冒頭部分から,筆者が重要だと考える部分を引用する。 第一章 総則(第一条―第十三条) (日本銀行の自主性の尊重及び透明性の確保) 第三条 1.日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。 2.日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない。 (政府との関係) 第四条 日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。 (業務の公共性及びその運営の自主性) 第五条 1.日本銀行は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。 2.この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない。 それがどうだろう。選ばれし3名は,日本銀行の哲学などはどこへやら,選んでくれた総理大臣のために,切腹覚悟で戦うのだと誓う。 理解不能の数々の疑問が残る。 現在,安倍総理が推し進めておられることは,日本銀行法に謳われている基本精神に矛盾しないのだろうか? うまくいかなかったら,どう責任をとられるのだろうか。切腹でもなさるのだろうか? 相談役と称してときどきテレビに出てくるあの年配の御仁は,総理大臣に,一体どんなアドバイスをしたのだろうか? あの一萬田総裁もまた,時の総理の ”お太鼓医者” だったのだろうか?
by yojiarata
| 2013-03-10 22:47
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