はじめに,二人の日本人が中学生時代に書いた次の文章を読んでいただきたい。
池田潔は,第一次世界大戦の直後,中学在学中にイギリスに渡り,リ-ス・スク-ルに3年,ケンブリッジ大学に5年,ドイツに移ってハイデルベルグ大学で3年を過ごした。科学の歴史に偉大な足跡を遺したキャベンディシュの業績を讃えてケンブリッジ大学に設置されたキャベンディシュ研究所からは自然科学の歴史を変える業績が続々と生み出されてきた。この文章からは,イギリスが長年にわたって培った伝統の重みに瑞々しい感性をもって反応した中学生の池田少年の感動が率直に伝わってくる。 日本の博物学の歴史に偉大な足跡を残した南方熊楠について,柳田國男は 『さゝやかなる春 南方熊楠』 のなかでつぎのように書いている。
南方熊楠は,ロンドンにあって,胸をはって日本を主張し続けた。イギリスの雑誌 Nature には,南方熊楠の研究成果が多数の論文として掲載されている。
この文章は,明治13年,十三歳一ヶ月の南方熊楠が和歌山中学校在学中に執筆した作文「教育ヲ主トスル文」の結びの部分である。 宮城道雄が筝曲の歴史上初めての表題音楽『水の変態』を発表したのは14歳の時であった。筆者は,このような素晴らしい先輩をもったことを日本人として大きな誇りに思う。 青春の詩
いまから百年近くも前に書かれたこの詩は,世界中の多くの人々の共感をよび,いまも愛誦され続けている。信念を失って干からびた二十歳の老人がいてもおかしくないし,希望に燃える八十歳の青年がいてもおかしくないのだ。 宮澤次郎『感動の詩賦 青春』(糸井出版,第十一刷,1989)
by yojiarata
| 2013-01-08 21:40
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