人気ブログランキング | 話題のタグを見る

書体 時代と文化




あれから,かれこれ20年になる。

当時,筆者はイギリス・バーミンガム大学の Jefferis 教授と共同研究していた。その縁で,同教授の研究室を2,3 度訪れた。

研究のほかに,同教授が使う書体(calligraphy)にも大きな興味をもっていた。筆者が永年興味をもっている勘亭流に代表されるわが日本の書体に通じるものがあったからである。

Merriam-Webster Online 

によると,

a: artistic, stylized, or elegant handwriting or lettering

b: the art of producing such writing

語源,初出は

French or Greek; French calligraphie, from Greek kalligraphia, from kalli- beautiful (from kallos beauty) + -graphia -graphy
First Known Use: 1604


彼の家に招かれて,夫妻,中学生の娘さんと共に食卓を囲んだ。毎日の食事そのままに,質素なイギリスの食事を楽しんだ。

食事の後,書体の大議論が延々と続いた。彼の人と筆者は大満足。

帰りに近くの pub に立ち寄った。筆者が初めて経験するpub であった。近所のおじさん,おばさんが集まって静かな雰囲気で,四方山話を楽しんでおられた。帰りの道すがら,J 教授は,pub と school と church は一組なんだと教えてくれた。確かにすぐ近くに,学校と教会があった。

帰国して間もなく,J 教授から一冊の本が届いた。

書体 時代と文化_a0181566_14275630.jpg

Osmiroid International Ltd., Gosport, Hampshire, England, 1983

嬉しいことに,この書体を書くためのペン一組が同封されていた。


***


筆者が永年興味をもっている江戸以来の日本の書体に話を移す。まずは勘亭流。
書体 時代と文化_a0181566_14593915.jpg

竹柴蟹助『勘亭流教本』(グラフィックス社,1975,第16刷)


見事な装丁のこの本には,歴史的背景に始まり,用いる筆の種類,著者の筆になる代表的な作品など,勘亭流のすべてが余すところなく書かれている。

次に掲げるのは,”この本に弟子入りした筆者” がカナダ・トロント大学の伊倉光彦博士の依頼によって書き上げた表札である。

書体 時代と文化_a0181566_0381753.jpg


次の2冊には,江戸以来用いられてきた書体が多数掲載されている。

書体 時代と文化_a0181566_1583383.jpg

吉田豊『江戸かな古文書入門』(柏書房,1998,第4刷)

書体 時代と文化_a0181566_15165040.jpg


***


書体 時代と文化_a0181566_15315577.jpg

谷峯蔵『日本レタリング史』(岩崎美術社,1992,初刷)


書体 時代と文化_a0181566_15255129.jpg





































by yojiarata | 2012-12-21 22:00
<< Christmas card 大利根月夜の田中裕子 >>