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God bless America



今朝,ワールド・シリーズ第3戦(デトロイト)を観戦した。大方の予想と異なり,デトロイト・タイガースの打撃不振ばかりが目立つ試合で,結局,サンフランシスコ・ジャイアンツが3連勝した。

7回 に入るところで,"Take me to the ball game" の合唱の前に,女性歌手による God bless Americaが場内に響きわたった。選手,観客は立ち上がり,ちょうど,アメリカ国歌が演奏されるような雰囲気であった。

筆者はこれまで,God bless America の何たるやを全く知らなかった。アメリカ国歌につぐ 第2のアメリカ国歌であるくらいにしか考えていなかった。重要な出来事において,アメリカ 国歌に寄り添うようにGod bless America が 歌われるのを耳にした。

”9.11” の時も,惨劇に打ちひしがれたアメリカ国民を鼓舞するように God bless America が繰り返し歌われていた。大統領就任式でも,スーパーボウルの始まる前のセレモニーでも,God bless America が歌われる。CDにも様々な歌手によって録音されている。Google の YouTube では, セリーヌ・ディオンが歌う声と姿 などを見ることができる。

God bless America についての筆者の知識はつい3日前までは,この程度であった。

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話が急に変わるが,NHKラジオ第2の文化番組を愛聴している。例えば, カルチャーラジオ (月-日,20:30-21:00) は素晴らしい。

10月26日(金曜日,20:30-21:00)のカルチャーラジオで,村尾陸男さん(ジャズピアニスト・ボーカリスト)が「ジャズ・スタンダード曲を味わう」のシリーズのなかで,

『大衆的な音楽への嗅覚 ~ 亡命ユダヤ人音楽家 I 』

と題して,30分話をされた。村尾さんの話の趣旨は以下の通りである。

どこに行っても差別が追いかけてくるユダヤ系の人々は,望みを託して移り住んだアメリカでも当初,差別に苦しんでいた。アービング・バーリン(1888-1989)もその中の一人である。

アメリカの地でしだいに心の平安を得たアービング・バーリンが,ユダヤ系移民に対する神の加護に感謝するために,1918年に作詞・作曲した曲が God bless America である。これ以後,多くのユダヤ系移民が,ジャズを含めて大衆的な音楽の世界で活躍,成功を収めた。

ちなみに,アービング・バーリンはその生涯に3000曲以上の作品を作詞・作曲し,とくに,1942年に作詞・作曲したWhite Christmas は世界の大ヒットとなり,その著作権収入で一生困らないほどの財を築いたという。
by yojiarata | 2012-10-28 23:00
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