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背中の志ん生



昭和36年,五代目古今亭志ん生さんは,読売巨人軍の優勝祝賀パーティーに招かれ,落語を披露した。

ところが,出席者たちは,志ん生さんの落語などそっちのけで飲めや歌えの大騒ぎ。「猫に小判」とはこのことである。

怒り狂った志ん生さんは,頭に血が上り,脳溢血で倒れた。

昭和30年から昭和36年は,五代目古今亭志ん生さんの話芸が冴えわたっていた時期である。次々に録音された三遊亭圓朝の作品は,歴史に残る文化遺産である。

その志ん生さんが倒れた。筆者は,もともとこの金持ち球団に違和感をもっていたが,この出来事を境にして,はっきり嫌いになった。

倒れた志ん生さんの介護をしたのは,一番弟子の古今亭円菊さんである。筆者は,円菊さんの高座を一度だけ,紀伊国屋ホールで聴いたことがある。他に例のない不思議な雰囲気の噺家だったと記憶している。ボランティア活動も積極的で,刑務所などをまわって受刑者を励ましていたという。

円菊さんは,体重60キロの志ん生さんを背負って面倒を見続けた

その円菊さんが,先週,多臓器不全のため亡くなった。享年84。合掌。
by yojiarata | 2012-10-23 16:25
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