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バロックと日本の詩情



「新老人の会」を発足され,ニューヨークまで出かけていって飛んだり跳ねたりされている日野原重明先生のようにはいかないが,後期高齢者なりに,元気にお医者さんに通ったり,音楽を聴いたり,ブログを書いたりしながら日々を送って楽しんでいる。

お医者さんといえば,過去数年の間に受診しなかったのは,小児科と産婦人科だけである。

現在の筆者にとっての音楽は,バッハを中心とするバロック,それに加えて妙な取り合わせと思われるかもしれないが,日本の郷愁を歌うものである。

古くは伊藤京子,最近では鮫島有美子などクラシック畑の歌手たちも録音しているが,これはいけない。楽譜は完璧に再現されているかもしれないが,キャーという高音に卒倒しそうになる。歌謡曲の分野からも,多くの歌手が録音しているが,ピッタリ来るものは多くない。ピッタリ来るとは,後期高齢者の体内にスーと抵抗なく入ってくる曲である。

現在のところ筆者がよく聴くのは,三橋美智也(日本の郷愁を歌う),日吉ミミ (北帰行-日本の詩情),岩城宏之(日本の郷愁)である。
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三橋美智也が歌う日本の歌謡史に残る古歌は素晴らしい。「城ヶ島の雨」,「海」,「旅愁」,「白い花の咲く頃」,「荒城の月」などに加えて,「五木の子守唄」など4曲の子守唄が並ぶ。何時の録音か記載がないが,普通に我々が聴いてきた三橋美智也とは全く異なり,力を充分に抑えて,全ての曲を同じトーンで淡々と歌っているのがよい。

日吉ミミの「北帰行-日本の詩情」。素晴らしい歌唱力,「北帰行」に始まり,「惜別の唄」(島崎藤村)で終わる選曲も見事である。

膨大な録音を残した三橋美智也のCDのリスト(現在入手可能)に,なぜか「日本の郷愁を歌う」だけは見付からない。日吉ミミの場合も同様である。その意味では,筆者の手元にあるのは,この世に二つという珍品 ということになる。

若き日の岩城宏之(1932-2006,日野原先生の病院で他界)が録音した「日本の詩情」は,N響の団員90名を動員したコロンビア・ポップス・オーケストラの演奏をバックに,さまざまな楽器の演奏が幽玄の世界を創り出す。今から40年前,岩城宏之33-34歳の録音である。

その時の気分によって,バロックを聴き,また,日本の詩情をゆっくりと楽しむ。後期高齢者の至福の時である。
by yojiarata | 2012-03-12 22:18
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