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播磨の森にある大型放射光施設スプリング-8  Ⅳ


第Ⅳ話 放射光の歴史的変遷



荒田

放射光についてですが,歴史的にどのような変遷を辿ってきたのでしょうか。

宮野

第1世代放射光

実際,放射光研究を初めて進めた方たちは,本来の電子加速したシンクロトロンの“邪魔者”を使わせてもらったそうです。これを第1世代放射光といいます。

第2世代放射光

やがてその光を使うために放射光専用のシンクロトロンを作るという時代になりました。最初の第2世代放射光用のシンクロトロン装置が,SPring-8の普及棟にそのまま展示されています。つくばKEKにある「フォトンファクトリー」もこの第2世代に当たります。

第3世代放射光

そして,さらに大きなものを作ろうとして始められたのが,大型放射光であるSPring-8など第3世代放射光です。つまり,SPring-8の蓄積リングは強力シンクロトロンです。また,1 GeVから8 GeVまで加速する別のシンクロトロンがあることはすでに述べました。

これとは対照的に,直線部に磁石の列を作って強制的に電子を振動させることで放射光を作るという方法があります。磁石の方向を変えて沢山並べると、その電子から出る放射光が共鳴して強めあうことができますので,より強い放射光を取り出すことができます。この磁石装置を「アンジュレータ―」といいます。SPring-8はそのための場所がたくさん造られています。とくに長直線部といわれる30メートルのアンジュレーターが入ります。


つづく

by yojiarata | 2011-07-28 17:40
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