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指揮権発動  日本の政治の系譜 その1




ご隠居さん 久しぶりにパソコンで何かゴソゴソ書いておられますね。

新しいパソコンに,すこしずつ慣れてきたからね。新しくなるということは,必ずしも,便利になるわけじゃないということがよくわかったよ。

それで,今日は何が始まるの?

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7月25日の朝日新聞(朝刊,34社会面)で犬養道子さんが24日,96歳で死去されたことを知りました。

犬養さんは,五・一五 事件で暗殺された犬養毅・元首相の孫で,犬養健・元法相の長女。大変に由緒ある家系の方です。

いろいろ考えているうちに,昭和史の節目節目に日本が経験した大惨事がつぎつぎに頭を過ったよ。現在の自由民主党・安倍政権の振る舞いを見ていると,これまでの悪夢が再現されているんじゃないかと恐ろしくなってくるんだ。


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近く総選挙だそうだけど。何故?,今?, と思うでしょう。私の頭にすぐに浮かんだのは,やはり,森友学園,加計学園問題だね。

この点は,我々政治の素人がちょっと考えるより,はるかに大きい重大な問題かもしれないね。ことが重大なら,急いで揉み消さないといけないからね。それには,選挙に持ち込むのが安全だと執行部が考えたんじゃないかね。

菅官房長官や二階幹事長は,無理して平静を保っているように見えるんだけど。気のせいだろうか?

ここから先は,戦後すぐ,日本の政治家連中を震え上がらせた 造船疑獄事件 に頭が切り替わるよ。その時の教訓は,指揮権発動 ですね。内閣のトップは安心すればいいんだ。あの時の,歌舞伎俳優のような風貌の ” 御仁 ” は,逮捕どころか,のちにノーベル平和賞に輝いたんだからね。


それでどうなったの?


マ,そう急がないで,話をゆっくりさせてください。


話を先に進める前に,日本の過去100年を振り返っておきたいんだ。


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1939年(昭和14年)5月から同年9月にかけて,満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線をめぐって発生した日ソ両軍の国境紛争事件 ノモンハン事件 が起きました。日本は関東軍1万5000名を動員したにもかかわらず,8月ソ連空軍・機械化部隊の反撃によって壊滅的打撃を受けたのです。

そのころ歌われたのが 「空の勇士」(作詩 大槻一郎 作曲 藤野今春)

恩賜の煙草を いただいて 
あすは死ぬぞと 決めた夜は 
広野の風も 腥 なまぐさ く 
ぐっと睨んだ 敵空に 
星が瞬 またた く 二つ三つ

・・・・・


国民学校(小学校)の生徒だったけど,この歌は,昨日のことのように覚えているよ。

恩賜とは天皇陛下由来のもの。例えば,大きな業績を挙げた人に,学士院恩賜賞が,天皇陛下から直接手渡されるのを,君も知っているでしょ。

「空の勇士」は,天皇陛下のために,明日はこの命をささげるということを誓っているのです。


だけど,こんな人もいたそうだよ。

二・二六事件で,逮捕,死刑を宣告された 北一輝は,処刑直前,執行官に,死ぬ前に 宮城の方向に向かって ” 天皇陛下万歳 ” の詞とともに拝礼せよと迫られたのに応えて,次のように切り返したそうだよ。

私は,死ぬ前には,冗談を言わないことにしています。

世の中には,いろんな人がいるよね。



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時代が移り,関東軍の影が次第に色濃くなっていき,1932年,五・一五 事件で,時の総理大臣・犬養毅(号は木堂,犬養道子さんの祖父,1931年首相,1855-1932)が「話せばわかる」の詞を残して,海軍の軍人によって暗殺された。さらに,陸軍軍人による二・二六事件と続き,ここから,日本は,盧溝橋事件など数々の”怪事件” を経て,戦争へ突入していったんだ。

その間,関東軍を牛耳っていた東条英機,岸信介による画策によって,日中戦争が始まり,泥沼化していったことは,君も知っているでしょう。このブログに何度か書いたからね。 もう一点 追加 しておきます。


結局,1945年の太平洋戦争まで,100年の戦争を経て,国民は苦しむことになり,300万人もの命が失われたよ。

太平洋戦争終結後,日本はアメリカの統治下,今に至るも,現在の自由民主党の流れは変わることはなかったよ。1970年代,岸信介が政権を握っていた頃の日米安保条約をめぐる対立を思い出してください。あれだけの大騒ぎの後,何も変わらなかったでしょう。


ここで思い出しておかなきゃいけないのは,上述の造船疑獄事件と指揮権発動 です。

「指揮権発動  日本の政治の系譜 その2」で詳しく書きますので読んでください。


【付録】

 安倍政権 説明責任果たしたか
菅義偉官房長官の記者会見
朝日新聞9月24日 朝刊2面


 社説 森友・加計 どこが「小さな問題」か
朝日新聞2017年9月21日


じっくり読んでいると,官房長官はじめ,内閣の要人連中は,実は相当心配しておられるようだね。つまり,今度の選挙で使う ”言い訳” が,果たして国民の目と耳を欺けるかどうか?








つづく

by yojiarata | 2017-09-28 17:51 | Comments(0)

指揮権発動  日本の政治の系譜 その2




戦後最大の疑獄事件・造船疑獄について書きます。この事件と直接かかわりを持ったのが,時の法務大臣 犬養毅,すなわち,犬養道子さんのご尊父です。


以下,ウェッブより引用しますが,現在の 自由民主党 は,当時,自由党 を名乗っていたことを,付け加えておきます。


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造船疑獄(ぞうせんぎごく)とは,第二次世界大戦後の日本における計画造船における利子軽減のための「外航船建造利子補給法」制定請願をめぐる贈収賄事件。1954年1月に強制捜査が開始された。政界・財界・官僚の被疑者多数が逮捕され,当時の吉田茂内閣が倒れる発端となった事件の一つ。

東京地検特捜部による海運,造船業界幹部の逮捕から始まった捜査は政界・官僚におよび,捜査主任検事の河井信太郎による大野伴睦の取り調べからはじまり有田二郎ら国会議員4名の逮捕などを経てさらに発展する気配をみせた。

同年4月20日,検察庁は当時与党 自由党幹事長 だった 佐藤栄作 を収賄容疑により逮捕する方針を決定した。しかし,翌4月21日, 犬養健法務大臣 は重要法案(防衛庁設置法案と自衛隊法案)の審議中を理由に検察庁法第14条による 指揮権を発動 し,佐藤藤佐検事総長に逮捕中止と任意捜査を指示し,直後に法務大臣は辞任した。後任法務大臣の加藤鐐五郎は国会閉会直前の6月9日に「4月21日の法相指示は国会閉会とももに自然消滅する」と佐藤検事総長に通知している。

4月30日には参議院本会議で指揮権発動に関する内閣警告決議が可決された。衆議院は9月6日に証人喚問をおこない,佐藤検事総長は「指揮権発動で捜査に支障が出た」と証言。また,衆議院は吉田を証人喚問議決をするも,吉田は公務多忙や病気を理由に拒否。その後,衆議院は拒否事由が不十分として議院証言法違反で吉田を告発するも,不起訴処分となった。

逮捕者は71人にのぼり,35人が起訴された。疑獄の中心部分に関わったのは23人であり,7人が無罪,12人が執行猶予付の懲役刑,2人が罰金刑を受けた。政治家に賄賂を贈る佐藤栄作と自由党会計責任者は後に政治資金規正法違反で在宅起訴されたが,国連加盟恩赦で免訴となった。


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佐藤 栄作(1901ー1975)
山口県生れ,岸信介は兄。すなわち,現総理・安倍晋三殿の大叔父です。
昭和39年に自民党総裁に就任,以後七年八ヶ月間政権を担当,内閣総理大臣(第61・62・63代)7年8か月の連続在任記録を持つ,日本記録保持者だよ。。

その間,日韓基本条約の締結・日米安保条約自動延長・沖縄返還を実現,非核三原則などの政策によってノーベル平和賞を受賞(受賞理由:非核三原則の提唱)したんだけれど,死後に「核持ち込みの密約」が発覚するんだ。何だか間の抜けた,いい加減の話だね。

造船疑獄で,政治生命の危機に陥ったけど,指揮権発動によって救われたんだ。

だから,現官房長官などの偉い方々も心配無用です。沖縄の諸問題の解決の業績を評価されて,ノーベル平和賞をいただけるかもしれないよ。

ちょっと付け加えておくと,海部 俊樹 かいふ としき (1931年1月2日 ー  内閣総理大臣(第76・77代)在任中,田中角栄首相(当時)のロッキード事件の捜査に当たって,指揮権発動が話題になったそうだよ(海部元総理のTV・インタビューを観ました)。

昔,悪い奴ほどよく眠る という映画があったでしょ。どこかの偉い総裁を演じた,今は亡き 森雅之の演技が印象深かったね。



未完

by yojiarata | 2017-09-28 17:40 | Comments(0)