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たそがれ迫る 庭の隅  巻の3



前回の続きです。

信じられないようなことが書いてあるから,しっかり読んでちょうだい。それにしても,内務官僚というのは怖ろしいね。もちろん,受け持ち分担があるから,官僚たちは,それぞれの分野で “活躍” しておられるよ。一言でいえば,国を動かしているんだ。


以下に掲載する記事は,すべて, 『 昭和史全記録 1926 ~ 1989 (毎日新聞社,1989年3月15日第2刷)からの引用です。

掲載誌は,各項目に明記,記載のない記事は,すべて,毎日新聞からの引用。


*



恐ろしいでしょう。怖いでしょう。だけど,そんなことはむかしの悪い夢だ。忘れればいいんだ,と仰るかもしれないけれど,そうはいかないんだ。” 特定秘密保護法” の制定など,現政権は狂っているからね。衆議院も参議院も多数を占めている,やり放題の独裁政権だからね。むかしの夢だなんて,呑気に構えていられないんだよ。

信じられないというべきか,滑稽,噴飯ものというべきか,恐ろしい時代だったんだね。例えば,広重の「阿波鳴門」発禁の件など,一旦狂った連中は何を言い出すかわからないということがよくわかるよ。

何度も言うけど,単なる悪夢として忘れ去ることができない世の中になりつつあるんだよ。



言論弾圧増加

1930年(昭和5年)
12月12日(時事新報)



「明るい政治」を目指し昨年七月組閣された現内閣は,最近原論文章に対する弾圧が著しく増加してゐる傾向があり,同十月までに新聞紙法及び出版法により,以下の物を発売頒布の禁止にした。

◇ 安寧秩序を紊乱するもの
1 単行本               40 件
1 雑誌                 19 件
1 ビラ                398 件

◇ 風俗を紊するもの
1 単行本 31 件
1 雑誌 17 件


に過ぎなかったものが本年1月から10月迄の同様処分は著しく増加し,

◇ 安寧秩序を紊乱するもの
1 単行本               125 件
1 雑誌                 36 件
1 ビラ                1,206 件

◇ 風俗を紊するもの
1 単行本   39 件
1 雑誌  12 件



「源氏物語」上演禁止

1933年(昭和8年)
11月22日


二十六日から四日間新歌舞伎座で上演予定の劇団「新劇場」によるわが国古典文学の粋「源氏物語」が,突如警視庁保安部から劇全体として社会の風致を害するとの漠然たる理由で上演禁止命令が発せられた。新劇場は紫式部会の名で長文の声明書を発表した同部会会長藤村作博士は,以下のように談話した。

「折角の画期的な企てを放棄しなければならなくなったことは非常に残念です。どの部分が悪いからこれを削除しろといわれるならまだしも全体がいけないとなってはどうにも仕方がありません。」



エノケンらアドリブご法度

1934年(昭和9年)
3月6日


浅草松竹座の榎本健一,柳田貞一,中村是公の三人は,エノケン座上演の「街のターザン」に脚本以外の台詞をはさんで「余計な演出」をやっているのを係官に見つけられ,警視庁興業係に呼び出され叱られた。



レコード検閲

1934年(昭和9年)
8月1日(報知新聞)


懸案となっていた内務省のレコード検閲は一日から開店した。むづかしくいへば改正出版法施行日である。

正面玄関横の検問事務室には菅検閲主任事務官,小川主任外係員数名が待機の姿勢で新レコードの到着を待った。 ・・・・・

名古屋のアサヒレコード会社の新レコード四十枚,ビクター会社の百四十種七十枚など,すべて検閲を通過した。「検閲するというだけで,大抵あぶなかしいものは持って来ないようだ」と, ・・・・・ 中々内務省の検閲官は寛大だ。 



謡曲「蟬丸」禁止か

1934年(昭和9年)
11月7日


日本精神協会(会長菊池夫男)理事の森清人氏が,内務省に中里図書課長を訪問し,謡曲「蟬丸」の内容が史実に反し,皇室の尊厳を傷つけるとして,廃曲にしてもらいたいと陳情。内務省でも思案し,近く各家元とも正式に交渉し,「蟬丸」上演を永久に禁止たい意向で調査を進める。



広重の「阿波鳴門」発禁

1935年(昭和10年)
5月(読売)



三審美書院出版の広重画「鳴門阿波」が鳴門海峡のはげしい渦巻と共に点々する島,山,その風景が仮令遠望とはいへさすが大家のものだけに巧緻真に迫るものがあり,現在の要塞地帯を察知するに足るものであると云う点が要塞地帯法に触れると和歌山憲兵隊に摘発され,東京憲兵隊の調べを受けた。結局複製の木版刷残品を押収され,今後の出版を禁じられてケリがついたが,浮世に居ない筆者の意向をたゞす訳にも行かない。



時平の冠,不敬

1937年(昭和12年)
1月14日(読売)



歌舞伎座で中村歌右衛門丈が上演中の「天神記二枚錦絵」の藤原時平公の冠が,むかし天皇,皇族方に限って御使用になったとおなじ「立纓」とわかり,警視庁保安課らは注意を与へると同時に,内務省に報告,歌右衛門丈も恐懼して早速纓の垂れた冠と取り替へて出演した。内務省では早速衣冠束帯をつけた人物の出る芝居を厳重に取締る方針である。




未完

by yojiarata | 2014-04-27 21:17 | Comments(0)

たそがれ迫る 庭の隅  巻の2



ご隠居さん いろいろ不愉快なことがあるような顔つきだね。


***



今年の2月27日に書いた たそがれ迫る 庭の隅 の続編を書いておかなきゃならない事態が進行しているからね。

総理大臣の暴走の裏には,つねに,官僚たちが慎重かつ粘く強く打ってきた布石があるんだ。

今日の話の場合,内務省の官僚とその配下の警視庁の警察官だね。戦時中は,特高警察の影が,表に裏にちらついているでしょう。広い意味でいう内務官僚は,恐ろしいことを,戦時中はいろいろやっているよ。小林多喜二は,特高警察の悲劇的な犠牲者の一人だし。満州で,東条英機と結託して影の男として暗躍した後の日本国総理・岸信介など,ワルが大勢いるよ。内務省がやっていた仕事は,現在は内閣府に引き継がれているよ。


*


事の始まりは,次の新聞記事なんだ。


(声)「政治的中立」をはき違えるな
2014年4月20日(日) (朝日新聞朝刊 9 オピニオン,奥山和代)


【「憲法」や「脱原発」をテーマにする講演会や催しの後援を,地方自治体や教育委員会が断る事例が全国で相次いでいるという。「政治的中立が保てない」という理由だそうだ。現政権に配慮して,行政の自主規制が進んでいると思わざるを得ない。いずれ会場の使用すらできなくなるのではないかと不安になる。

政治的中立とは何だろうか。市民を情報から遠ざけることが「中立」とは到底考えられない。情報を取得する機会を奪われた状態で選挙に行って、正しい判断ができるだろうか。 ・・・・・ 】


実は,私も,ラジオのニュースで,この件に関することを,断片的にきいて,気になっていたんだけど,集中的に考えるまでに至らなかったんだ。

調べてみると,あるはあるは,関連の記事が続々と見つかった。


教委制度改革,自民党3案入り乱れ 自公チーム議論開始 (2014 2 6)
首相,道徳教科化に意欲 教育委員会も「抜本的に改革」 (2014 1 29)
教委制度見直し本格化 政治主導狙い,権限を首長に (2014 1 29)
最終責任者,教委から首長に 中教審,13日に答申 (2013 12 10)
教育行政の最終責任者を首長に 中教審,見直し答申案 (2013 11 27)


*



着々と布石が打たれていることがわかるよ。

以下,古い順に,要点を引用します。

教育行政の最終責任者を首長に 中教審,見直し答申案
2013年11月27日15時45分



教育委員会制度の見直しを検討する中央教育審議会の分科会が27日あり,地方教育行政の最終責任者を教委から自治体の長(首長)に移す答申案を文部科学省が示した。一方,政治的影響を懸念する意見に配慮し,首長から教育長への指示などに制限を設けた。戦後から続く教委制度について,中教審が初めて抜本見直しを示すことになる。 ・・・・・



最終責任者,教委から首長に 中教審,13日に答申
2013年12月10日12時31分



【岡雄一郎】地方教育行政の見直しを検討してきた中央教育審議会の教育制度分科会(分科会長=小川正人放送大教授)が10日,最終責任を合議制の教育委員会から自治体の長(首長)に移す答申案をまとめた。・・・・・

戦後教育の根幹として1948年から続く教育委員会制度の転換点となるが,公明党が反対しており,与党協議で曲折も予想される。 ・・・・・



首相,道徳教科化に意欲 教育委員会も「抜本的に改革」
2014年1月29日13時13分



安倍晋三首相は29日午前の参院代表質問で,小中学校の道徳の教科化について「公共の精神や豊かな人間性を培うため,特別の教科として位置付け,教育の目標・内容の見直しや,教員養成の充実などを図ることで,今後の時代に求められる道徳教育の実現を目指す」と表明した。現在は正規の教科ではない「道徳の時間」として教えられているが,教科に格上げすることに意欲を示したものだ。 ・・・・・

教育委員会制度の見直しも「与党の意見も頂きながら,責任の所在があいまいな現行の教育委員会制度を抜本的に改革していく」と答弁。見直しに慎重な公明党に配慮しつつも,教委の権限を自治体の首長に移すことに意欲を示した。教科書検定基準の改定も「改正教育基本法の趣旨を踏まえ,バランスのとれた教科書で子供たちが学べるようにすることを目指すものだ」と述べた。民主党で日教組出身の神本美恵子氏,自民党の溝手顕正氏への答弁。



教委制度見直し本格化 政治主導狙い,権限を首長に
池尻和生,岡雄一郎

2014年1月29日5時30分



安倍政権が教育委員会制度の見直しに本格的に乗り出した。安倍晋三首相は28日の衆院本会議で「現行の制度を抜本的に改革する」と表明。政治からの中立性を保ってきた教委の権限を自治体の首長に移し,政治主導の教育行政に変えるのが狙いだ。政権は3月にも関連法改正案を国会提出する構えで,実現すれば戦後教育の大転換になる。・・・・・

自治体の教育行政の事務方トップである教育長について,教委が教育委員から選出する従来の方式を変え,首長が任命できるよう関連法の改正方針を確認した。教育行政に首長の意向を反映しやすくする狙いだ。



首長主宰の「教育会議」設置 教委見直しの自民原案
2014年2月14日15時02分



教育委員会制度の抜本見直しをめざす自民党原案の全容が14日,分かった。首長が政治主導で教育を進める狙いから,首長や教育委員で構成する協議会「総合教育施策会議」(仮称)を新設。教科書採択で文部科学相が自治体に是正措置しやすくするため,地方教育行政法の改正もめざす。

新設する会議は首長が主宰し,地方議会の議長や教育長,教育委員,専門家で構成。教育に関する「大綱的な方針」を協議して教職員の人事や服務監督・懲戒の方針もまとめる。「選挙で公約した首長の政策が適切に反映されるようにする」と明記して,教委の機能を縮小して首長権限を大幅に強める内容だ。


読んでいると,日本の軍国主義化とともに,内務官僚たちが行った検閲,言論統制が蘇ってくるよ。



続きは,次回に。



つづく

by yojiarata | 2014-04-27 18:50 | Comments(0)

高慢 と 偏見  最高裁 と 集団的自衛権



突然 変な話になりそうな雰囲気だね。ご隠居さん。

***



変だと言えば,変かもしれないけど,重要な話なんだ。

集団的自衛権のことが話題になっているでしょう。この問題では,自民党と公明党の関係が怪しくなってきたよね。もともと,両者の関係は,” 同床異夢 ” といったところだけど,今度はちょっと深刻のようだね。

4月18日の朝刊に,大きな見出し「集団的自衛権 党是をかけて」の記事が掲載され,「真っ向議論へかじ切った首相」とあるよ。「公明は猜疑心」とも書かれています。

バサッと言ってしまえば,アメリカが危険に曝された時には,日本が自衛隊を派遣し,何者かが日本に攻めてきたら,アメリカ軍が援軍を出すということだよ。

これは大変なことですよ。

1) アメリカを援助するために,自衛隊を送り出せば,自衛隊は戦争に巻き込まれかねません。日本国憲法では,紛争解決のために武力を使わないことが明記してあるからね。4月17日のクローズアップ現代 のブログをもう一度読んでちょうだい。

2) 日本をアメリカが助ける事態は想定できても,日本がアメリカの危機にあたって,自衛隊を派遣する効果は考えにくくないかい。自衛隊がちょろちょろ走り回って,アメリカを助けることなど,あり得るだろうか。ちょっと,滑稽な話だよ。” 噴飯もの ” といってよいのではありませんかね。

2,3日前のテレビのニュースで,自民党の高村副総裁の驚くべき発言をきいたよ。

高村副総裁は,1959年の 「砂川事件」 最高裁判決を持ち出し,集団的自衛権を容認すべきたと唱え,あろうことか,あるまいことか,(出来るだけ正確に引用すると)

”アメリカの軍事力は,この所,低下しているから,日本の自衛隊が助けなければならない事態が,今後,度々発生するだろう。

と仰るんだ。アメリカだって,この発言をきけば,決して愉快じゃないだろうね。気を悪くすると思うよ。


最近の新聞から,高村発言を念頭に,集団的自衛権に関連した記事を引用しておくよ。



自民「行使容認」に力技? 集団的自衛権,砂川事件判決を根拠

公明「論理の飛躍」



集団的自衛権の行使容認を巡る自民党内の意見集約が本格化する中,行使容認の根拠として,1959年の「砂川事件」最高裁判決が急浮上してきた。行使容認派は,最高裁が集団的自衛権の行使を否定していない論拠だと位置づけ,党内の説得に当たるが,公明党からは「論理の飛躍だ」といった批判が出ている。

*


高村副総裁の発言

「この判決が,私が知る限り,最高裁が自衛権に触れた唯一無二の判決だ」。3月31日,集団的自衛権をめぐって議論した自民党の安全保障法制整備推進本部の会合。講師役の高村正彦副総裁が160人の議員を前に持ち出したのが,砂川事件の判決だった。

裁判自体は米軍駐留の合憲性が争われたが,高村氏が重視したのは,判決が自衛権に触れて「わが国が自国の平和と安全を維持し,その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうる」とした部分だ。

高村氏はこの判決から,日本の存立のための必要最小限度の措置には,集団的自衛権の一部も含まれるという「限定容認論」を主張している。31日の本部の会合では,日本を守るために活動する米艦船を自衛隊が防護する事例を挙げ,「集団的自衛権であっても,『必要最小限度』に当たるのではないか」と語った。

2014-04-03  朝日新聞朝刊 4 総合


それにしても,高村副総裁は,ピントはずれというか,方向感覚のわからない人物だね。そのくせ,威張っているでしょう。我々としては,威張られる理由は全くないんだけどね。以前,池澤夏樹氏が新聞に書いておられたけど,議員さん全員,国民によって選ばれたんだ。国民から徴収した税金によって食べているんだからね。選んだ方も悪いけど,選ばれた議員さん方は,ただ威張るんじゃなく,もっと謙虚であってほしいよ。もっともこれは,高村氏に限ったことではなく,総裁を含めた自民党政権全体について言えることだけどね。


というわけで,全く関係ないんだけれど,何となく,200年前に書かれたジェーン・オスチンの小説の題名を思い出してしまったというわけです。



最高裁は 本当に最高か?



半年ほど前に,「まだ最高裁があるんだ」 をこのブログに書いたんだけど,もう忘れただろうね。

もう一度読んで欲しいんだけど。

学校で教わる,「三権分立」の原則は百も承知の上で,最高裁の判決が,時として,国の重要な政策に影を落とすことが無くはないという趣旨の記事を書いたんだ。

もっとも,世界には,国家がすべてを決め,裁判所がその決定に従うことになっている独裁国家もあるようだけど。



4月14日(朝刊)に掲載されたその後の動き


見出し(だけ)を引用するよ。


1面

始まりは安倍・高村会談  集団的自衛権の「限定容認論」  「砂川判決」論拠に


3面

限定容認論 支えに 答弁

解釈変更先送り 石破氏提案,首相は難色

高村正彦・自民党副総裁 「立憲主義に反しない」

小林 節 慶応大名誉教授 「権力による憲法泥棒」


37面

砂川 なぜ今 

無罪書いた判事「何でこんな議論に」

被告「行使の根拠 こじつけ」 再審請求へ



ちなみに,3面に出てくる とは, 大和魂と靖国神社 に登場する現総理大臣のおじいさま・岸信介です。安保改定の時の総理大臣だよ。

あの時のことを,デモに参加し,国会前にいた永六輔が,「涙がこぼれないように,上を向いて歩こう」と作詞したんだ。作曲は中村八大。のちに御巣鷹の事故で他界した坂本九が歌い,すき焼きソングとしてアメリカなどで大ヒットしたけどね。

前に書いたと記憶しているけど,「新安保の成立」によって,オスプレイが飛ぼうと,ヘリコプターがどこに落ちようと,日本は黙っているしかなくなったんだ。




未完

by yojiarata | 2014-04-20 07:20 | Comments(0)

NHKクローズアップ現代 4月16日の変



ご隠居さん クローズアップ現代はよくみるの。

***


はい。綿密な取材をもとに,その時その時のトピックスを取り上げるのでね。

何が問題かだって?

昨日(4月16日)のクローズアップ現代に異変が起きたんだ。終わり方も変だったよ。


番組の題名は, イラク派遣 10年の真実 です。


自衛隊は,10年前から5年間,フセイン政権崩壊の後,非戦闘地域とされているサマーワに派遣されたんだ。非戦闘地区といっても,いつテロがあるかわからない危険な宿営地。これまで,経験したことのないような派遣だったんだ。事実,13回,迫撃砲が撃ち込まれたとのことだよ。

当時の政府は,この派遣が憲法違反になることを危惧し,「イラク支援法」を成立させ,自衛隊を派遣が憲法違反にならないような手を打ったんだ。


最近,自衛隊は,1000本のテープにイラク派遣の実態を記録していたことがわかり,NHKが粘り強く交渉した結果,この日の番組に利用することができたんだ。

なお,NHK 社会部・宮下大輔記者が,極めて適切なまとめを報告しました。



次に,番組に招かれた方々が,どのように話されたかを順に紹介します。


先崎 きっさき 一・元総合幕僚長



クウエート,サマーワは,有事に近い状況にあったので,これまでに経験したことのないような事態を細かく想定したようだよ。

死者が出た時,遺体をどのように運ぶかの手筈を注意深く整えたと言っておられました。実際,国から,10個の棺を持参していたんだそうです。自衛隊員には,中身を知られないようにしてね。


ASD(急性ストレス障害)



延べ10,000人に精神面に問題が発生したこと,帰国後,28人の隊員が自殺したということだ。私は,これには大変なショックを受けたね。これまでに,新聞などで,報じられることなどなかったからね。

夜は交代で警備するんだけど,眠れないなどのメンタル面の不調を訴える隊員がでたんだ。4000人を対象にして,精神科医が診断にあたったところ,隊員の1-3割がメンタルケアが必要と診断されたんだ。


前・防衛大学校校長・五百旗頭 真


穏健な発言によって,自民党政権との共存を長年にわたって続けてきた人物なんだ。ウェブ によると,専門は日本政治外交史,政策過程論,日米関係論だそうだよ。

名前はよくきくけれど,テレビで長い時間,お姿を拝見したのは初めてです。

宿営地の外の活動により,イラクの住民と仲良くなることに多大な貢献,つまり異文化社会との交流に成功した自衛隊の貢献を高く評価したいと仰るんだ。ニコニコしながら,何度も何度もそう仰るんだ。

司会進行役の国谷裕子さんが,何を訊いても,このことを繰り返すばかり。この日のポイント,すなわち,戦闘地域の派遣による,メンタルなケアについては,一言も発言されないんだよ。

例えば,アメリカではベトナム戦争,アフガニスタンの内戦などのあと,メンタルケアが重大な問題になっていることはよく知られているでしょ。多くの自殺者も出ているんだ。

日本政治外交史の先生は,これらの周知の事実をご存じないなんてことは絶対にあり得ないと思うよ。

1943年生まれで,まだ若く,頭の方は大丈夫だと思うんだけれど,何だか変だったよ。番組も,突然終わるしね。現政権の影がこの出来事の裏にあるんじゃないかと想像したくなるんだけど。私の余計な勘繰りだろうか。





未完

by yojiarata | 2014-04-17 22:23 | Comments(0)

日本の科学行政を問う  巻の2



今日は一転,大上段に振りかぶってきたね。それに,「巻の2」と仰いますが,「巻の1」は,ご隠居さんのブログでは見てないような気がするよ。

***


あれからもう4年になるかなぁ。2年近く時間をかけて ”取材” した資料をもとに,

荒田洋治『日本の科学行政を問う 官僚と総合科学技術会議』 (薬事日報社,2010)

を出版しました。
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文部科学省などにも,友人を通じて送ったんだ。友人は,文部科学副大臣などに渡したと言っていたけれど,古井戸に石を落としたように,予想通り,何の反響もなし。鳩山総理(当時)にも郵送しただけど,「結構な品物を有難う」と印刷された領収書(葉書)が送られて来ただけ。私がスタンフォード大学で客員をしていた1970年代の初め,彼氏も,どこかの学部に留学していて,知らない仲じゃないんだ。

こんな調子で,執筆の効果はゼロに近かったんだけれど,興味をもってくれた友人が何人もいたよ。


今日また,意見を述べたくなったので,「巻の2」としたんだ。主な理由は,2014年4月14日の総合科学技術会議で,論文執筆に関わる倫理問題が取り上げられたためです。

昨日の朝日新聞・朝刊 (38 社会面)に,次の記事が載ったよ。


【研究論文の問題が相次いでいることを受け,安倍晋三首相は14日に開かれた総合科学技術会議で,不正の予防や事後の対応策について検討するよう指示した。

安倍首相は「研究不正の頻発は研究開発力の基盤をむしばむもので大変遺憾。個別事案への対応だけでは不十分」と指摘した。同会議は,研究現場の実態を調べ,不正が起こる背景や,防止に向けて各省庁や学界の役割などを検討する。】



*


内閣府傘下の総合科学技術会議のことは,名前は聞いたことがあっても,中身は知らない人も多いと思うから,「巻の1」の私の著作の目次を再現します。ここに,私の言いたいことはすべて書いてあるよ。



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荒田洋治『日本の科学行政を問う 官僚と総合科学技術会議』 (薬事日報社,2010) 目次



総合科学技術会議は,議長が総理大臣,何人かの ” 学識経験者” から成る議員がいるんだ。議員は,議長が自らの意のままに選ぶんだから,どうなっているか想像できるでしょう。

ちなみに,議員は時々,追加や交代があるようだから,現在を知るために,今年3月の会議の議事録(案)[次の月に案として提出されて,会議の承認を得る]を次に引用するよ。すべての資料は,内閣府のウェブ・ページに公開されています。


第118回総合科学技術会議議事録(案)

1.日時 平成26年3月12日(水)17:26~17:45
2.場所 総理官邸4階大会議室
3.出席者
議 長 安倍 晋三 内閣総理大臣
議 員 山本 一太 科学技術政策担当大臣
同 菅 義偉 官房長官
同 新藤 義孝 総務大臣
同 麻生 太郎 財務大臣
同 下村 博文 文部科学大臣
同 茂木 敏充 経済産業大臣
(松島 みどり 経済産業副大臣代理出席)
議 員 久間 和生 常勤
同 原山 優子 常勤
同 小谷 元子 東北大学原子分子材料科学高等研究機構長兼大学院理学研究科数学専攻教授
同 中西 宏明 株式会社日立製作所代表執行役執行役社長兼取締役
同 平野 俊夫 大阪大学総長
同 大西 隆 日本学術会議会長
臨時議員 甘利 明 経済再生担当大臣
同 稲田 朋美 規制改革担当大臣
4.議題
(1)成長戦略のための新たな研究開発法人制度について
(2)独立行政法人科学技術振興機構の業務方法書、中期目標・中期計画の変更について
(3)独立行政法人日本学術振興会の業務方法書の変更について
5.配布資料
資料1-1 世界最高水準の新たな研究開発法人制度の創設に向けて
資料1-2 特定国立研究開発法人(仮称)の考え方について(案)
資料2 独立行政法人科学技術振興機構の業務方法書、中期目標・中期計画の変更について
資料3 独立行政法人日本学術振興会の業務方法書の変更について
参考資料1 特定国立研究開発法人(仮称)の対象法人候補について
参考資料2 第117回総合科学技術会議議事録(案)


第118回総合科学技術会議議事録(案)によると,安倍議長,下村議員が,つぎのように発言しておられます。


【安倍内閣総理大臣】

本日から,新しい有識者議員として,小谷元子議員に参加をして頂くことになりました。そして中西議員,平野議員には引き続き議員をお願いしたいと思います。皆様のこの最強の布陣で,内閣のイノベーション政策を強力に進めていきたいと思いますので,宜しくお願いします。

今日は,2つのことを申し上げたいと思います。

研究開発成果の最大化を目指す新たな研究開発法人制度について,イノベーション政策や行革といった様々な角度から議論を重ねてまいりました。本日,その中核を担う特定国立研究開発法人について,考え方を決定致しました。

今後は,関係閣僚が一体となりまして,研究開発法人改革の法案の国会提出に向けて,しっかりと対応して頂きたいと思いますので宜しくお願い致します。

そして革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の公募が,いよいよ始まりました。ImPACTは,安倍政権のイノベーション政策の看板施策と位置付けています。総合科学技術会議において強力に推進をして頂きたいと思います。



【下村文部科学大臣】

現在,内閣府の主導の下で,新制度を具体化する為の法案の作業がなされておりまして,法律には,昨年末の閣議決定に盛り込まれた法律事項や関係大臣間で合意された事項が着実に法定化されることが必要であると思います。

加えて,「研究開発成果の最大化」を第一目的とした世界最高水準の運営が可能になるよう,制度的な見直しや財政的な支援の充実等が重要であり,文部科学省としても,関係府省と協力して,その実現に向けて,全力で対応していきたい。

なお,特定国立研究開発法人の対象法人については,今後,科学技術イノベーション政策の動向等を踏まえ,必要に応じて見直しを行うこととされていることは,先程お話がありましたが,現時点で基準を満たさずとも,対象となるポテンシャルのある法人が他にもあることは,関係閣僚間でも異論がなかった訳でございまして,この見直し規定に基づき,そのような法人が選定される道筋を早急に明らかにしていくことも必要ではないかと思います。

また,先般来のSTAP細胞に係る論文の問題についてでありますが,引き続き理化学研究所において調査が進められているところでございます。研究活動は,研究者が高い倫理性をもって誠実かつ謙虚に責任をもって遂行することが原則であります。

今回の特定国立研究開発法人の選定要素として,法人のマネジメントやリスク管理が挙げられていますが,そのような観点から,理化学研究所の今後の対応について文部科学省としても注視するとともに,必要に応じて指導するなど,真摯に受けとめて対応してまいりたいと思います。


総合科学技術会議( 第119 回)議事次第 を見ると,次のようになっているよ。

総合科学技術会議(第119回)議事次第
日時
 平成26年4月14日(月) 17時35分~18時15分
場所
 総理官邸4階大会議室
議事
(1) 科学技術イノベーションを創出するための環境整備について
(2) 科学技術イノベーション総合戦略改定案の構成(案)について
(3) その他
(4) 最近の科学技術の動向
資料
資料1-1 日本再興のためのイノベーションシステムの改革に向けて(概要) (PDF形式:152KB)
資料1-2 日本再興のためのイノベーションシステムの改革に向けて~飽くなき「挑戦」と、知の衝突による「相互作用」が織りなすイノベーションの連鎖~(有識者議員提出資料)(PDF形式:211KB)
資料1-3 「日本再興のためのイノベーションシステムの改革にむけて」の資料集  1(PDF形式:222KB)  2(PDF形式:433KB)  3(PDF形式:495KB)  4(PDF形式:477KB)  5(PDF形式:351KB)
資料1-4 我が国のイノベーション・ナショナルシステムの改革戦略(概要)(PDF形式:219KB)
資料1-5 我が国のイノベーション・ナショナルシステムの改革戦略(PDF形式:195KB)
資料2 科学技術イノベーション総合戦略改訂版構成(案)(PDF形式:79KB)
資料3 研究不正問題への対応に向けて(意見)(有識者議員提出資料)(PDF形式:254KB)  [字体,色は筆者による]
資料4 最近の科学技術の動向「持続的発展を見据えた分子追跡放射線治療装置の開発」(北海道大学大学院医学研究科教授 白土博樹氏説明資料)  1(PDF形式:469KB)  2(PDF形式:410KB)  3(PDF形式:498KB)  4(PDF形式:410KB)  5(PDF形式:504KB)  6(PDF形式:488KB)  7(PDF形式:427KB)
参考資料1 科学技術イノベーション総合戦略のフォローアップについて  1(PDF形式:864KB)  2(PDF形式:470KB)  3(PDF形式:575KB)
別添1  1(PDF形式:498KB)  2(PDF形式:432KB)  3(PDF形式:496KB)  4(PDF形式:476KB)  5(PDF形式:251KB)
別添2  1(PDF形式:402KB)  2(PDF形式:449KB)  3(PDF形式:495KB)  4(PDF形式:444KB)  5(PDF形式:430KB)  6(PDF形式:496KB)  7(PDF形式:418KB)  8(PDF形式:444KB)
別添3 (PDF形式:277KB)
参考資料2 第118回総合科学技術会議議事録(案)


第119回の議事録には,

研究不正問題への対応に向けて(意見)

が掲載されているよ。全体は, 総合科学技術会議( 第119 回)議事次第 のなかの「資料3」を見ていただくことにして,項目と記事の一部を次に列挙しておきます。


(研究倫理の遵守)

1.近年、我が国の科学技術の研究開発の現場において,研究不正事案が少なからず発生していることは,極めて遺憾である。 ・・・・・


(研究者と研究組織の責任)

2.本来的に,研究者は他の職業と比べて,高度な学術的知識や専門的能力を背景に,研究活動内容・範囲の決定や時間・設備・資金の利用等を自らの判断に任されるなど,自由で独立した活動環境が確保されている。また,研究者がその自由な発想を追求し情報発信することは,尊重されねばならない。 ・・・・・


(研究不正の抑止に向けて)

3.研究不正の抑止に向けては,科学技術の研究現場の実態をよく見極めた上で,3つのレベルで対応のための仕組みづくりに取り組むべきである。 ・・・・・


(科学技術イノベーション推進への決意)

4.研究不正事案の頻発は,断じて許すことはできないが,しかし,これを理由に科学技術推進の足取りを聊かも緩めることがあってはならない。安倍内閣は,イノベーションに我が国の未来への活路を求めて,科学技術イノベーション政策を強力に推進している。この決意と努力を決して無駄にしてはいけない。

また,研究不正への対応が,正鵠を射ぬ内容であったり研究活動に度を超えた管理や制約を課すことにより,研究者の自由で独立した研究環境を破壊したり,チャレンジングな研究活動を委縮させるたりするような,「角を矯めて牛を殺す」ものであってはならない。特に,若手研究者が果敢に挑戦を行う機会を奪ってはならない。


(より良き研究開発環境の整備に向けて)

5.なお,今般のSTAP細胞論文の研究不正疑義をめぐっては,国民の科学技術への期待や関心が大きいが故,巷間議論が白熱しているが,様々な論点が錯綜したまま議論されている面が一部にあることを懸念する。すなわち,①研究論文の不正行為の有無の問題,②STAP細胞の存在に係るサイエンスとしての問題,③理化学研究所のガバナンスや対応の問題,④研究開発活動のあり方や責任所在の問題,⑤科学技術イノベーション政策の問題,の論点が混在したまま,議論や批判が行われているように思われる。

今回の事案を契機に,国民がもう一度科学技術に対する信頼と期待を取り戻せるよう,これまで述べてきた基本的な考え方に即して,冷静で建設的な検討を行うことにより,研究不正の防止及びより良い活力に溢れた研究開発環境の整備を図り,我が国の研究開発力の強化につなげていくことが必要である。


平成26年4月14日

総合科学技術会議議員
内山田 竹志
大西 隆
久間 和生
小谷 元子
中西 宏明
橋本 和仁
原山 優子
平野 俊夫



*



終わる前に,次の諸点を指摘しておきます。

1) これまでに引用した議事録などは,実際には,頭の良い「官僚」が書いたものだと思います。この種の文書に特有な言葉使いから明瞭だよ。

2) 議長配下の議員の名簿を見ると,現役の方はほとんどおられません。会社の要職などについておられたかもしれませんが,サイエンスの現状と将来を議論する総合科学技術会議の仕事を果たせるとは思えないよ。それに,現役の先生といっても,何故,議員に選ばれたかは,全く不明です。何しろ,議長と官僚たちが勝手に決めるんだからね。

3) 政府の活動の裏にあって,政府を動かしているのは,官僚だけど,そのことを端的に示しているのが,官僚たちが 「ポンチ絵」 と呼んでいる紙切れです。ある官僚に聞くと,先生方に物事を手っ取り早く理解していただくには,これが一番だと言っていたよ。


これが,総合科学技術会議の実態です。これで,論文執筆に関する倫理の問題が解決すると,議長さんは本当に思っているんだろうか。

「日本版NIH」を始めることも話題になっているようだね。外国の真似ばかりして,日本のサイエンスに将来があるとでも思っているんだろうか。議長は,あの広大なキャンパスで,膨大な数の高いレベルの研究が行われているのを,全くご存じないんじゃありませんかね。



4月14日の安倍首相動静は,新聞の「首相動静」によると,次のようになっているよ。つまり,40分程度,総合科学技術会議に出席していたようだね。

5時37分,総合科学技術会議。6時20分,稲田行政改革相。38分,東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。宴会場「プロミネンス」で,自民党麻生派のパーティーに出席し,あいさつ。7時5分,公邸。菅,加藤,世耕,杉田正副官房長官らと会食。


この日の安倍議長について,新聞は次のように報道しているよ。

【研究論文の問題が相次いでいることを受け,安倍晋三首相は14日に開かれた総合科学技術会議で,不正の予防や事後の対応策について検討するよう指示した。

安倍首相は「研究不正の頻発は研究開発力の基盤をむしばむもので大変遺憾。個別事案への対応だけでは不十分」と指摘した。同会議は,研究現場の実態を調べ,不正が起こる背景や,防止に向けて各省庁や学界の役割などを検討する。】




未完

by yojiarata | 2014-04-17 22:20 | Comments(0)

噫無情



またまたヘンテコリンな題だけど,何を始めるつもり。

***



黒岩 涙香くろいわ るいこう [1862年11月20日(文久2年9月29日) -1920年(大正9年)10月6日)] のことから,話を始めるよ。君の年代では,聞いたことのない名前かも知れないね。

ウェブによると,

【黒岩 涙香は,明治時代の知識人,思想家,作家,翻訳家,探偵小説家,ジャーナリスト。

1892年(明治25年)に朝報社を設立し,『萬朝報よろずちょうほう』を創刊した。 ・・・・・ タブロイド判の日刊新聞で,『鉄仮面』,『白髪鬼』,『幽霊塔』,『巌窟王』,『噫無情(あゝ無情)』 などの代表作を次々に掲載した。】

『レ・ミゼラブル』(Les Misérables)は,ヴィクトル・ユーゴーが1862年に執筆したロマン主義フランス文学の大河小説。原題 Les Misérables は,「悲惨な人々」,「哀れな人々」を意味する。】


子供の頃,黒岩涙香のこれらの作品(実際には,外国の作品の翻案)を夢中で読んだよ。あの頃の子供は,みんなそうだったと思うよ。厚手の表紙の本で,字が大きく,読みやすかったと記憶しています。

『噫無情(あゝ無情)』では,ジャンバルジャンを理不尽に追いつめるジャベールの執念深さに怒りつつ,ドキドキしながら読んだよ。『噫無情』は,『レ・ミゼラブル』 として,世界中で上演されています。現在上演されている『レ・ミゼラブル』は,あの頃,私たち子供を夢中にさせた『噫無情』とはまるで違うみたいだね。


どうして,そんな昔のことをもちだすのかだって?

昨日(4月13日)の朝刊の第一面のトップに,デカデカ と書いてあるんだ。


政権 「原発ゼロ」を転換


エネ計画決定  新増設,否定せず




総理大臣は,月に一度は必ず福島に行って,原発の被害を受けた人々を激励すると言っていたんじゃなかったのかね。政府は,あなた達を見捨てることなどない,原発の被害を最優先にして,これからもやっていくから,どうか我々を信じてついてきてほしいと言っていたんじゃなかったのかね。

それが,東京に帰り,ヌクヌクと収まった途端に,コロッと忘れたように,この方針決定だからね。

私が,「噫無情」を思い出した理由がわかるでしょう。君は,どう考えているのか知らないけど,私は絶対に許せないよ。

最近は,訳の分からない絵を描く”世界的な芸術家”に会ったり,新宿御苑でニコニコとつまらない冗談を言ったりしてしているけど,内心は何を考えているのか分らない,えたいが知れない 「無情」 の人だね。怖いよね。

もう一度,私が今年の2月15日に書いたより美しい 誇りのある国 を読んで下さい。




ひとまずおしまい

by yojiarata | 2014-04-13 13:35 | Comments(0)

偶然 と 必然   秋葉原 と みんなの党・代表



ご隠居さん 何だか,支離滅裂な題だけど。頭の方は大丈夫? 


***


マ ごちゃごちゃ言わないで,ゆっくり話を聞いてちょうだい。


偶然 の 段


5年前だったと記憶しているんだ。「みんなの党」を作るため,自民党を飛び出した先生がいたでしょう。

ちょうど,その頃,私に災難が降りかかってきたんだ。全く偶然にね。

秋葉原をぼんやり歩いていたら,自動車の屋根に乗って,大きな声で演説してる人がいたんだ。何だろうと思って見上げたら,「自民党を飛び出した先生」なんだ。

何かが突然に起きたのは,次の瞬間。滑って,転んで,ひっくり返って,気を失ったんだ。頭をぶつけたのか,一種の脳震盪だろうね。周りを野次馬 (10人はいたよ) が取り囲んでいたんだけど,私が薄目を開けて周りを見回すと,

ア 生きている

その一声で,野次馬はあっという間に消えたんだ。昔の野次馬は,もっと人情味があったんだけどね。

それにしても,8億円を一体何に使ったんだろうね。お金の出所が,大手化粧品会社というのも何だか変だね。



必然 の 段


先生は,4月7日に記者会見をして,「みんなの党」の代表を辞任すると表明したんだ。「政治資金不記載」にあたる恐れがあったし,折角立ち上げた新党が不信をもたれ,国民が離れていくことを恐れた党内の意見を無視できなくなったからなんだろうね。

それからは,秋葉原に行くたびに,先生のことを思い出すんだ。そして,つい,「上を向いて歩く」 癖がついたよ。

私は,政治とは無関係に,先生の特徴的な髪型に興味をもっていたんだけれど,最近,心なしか,髪の毛の数が大分減ってきて,あの髪型を維持するのが困難になっているようなんだ。8億円で熊手を買った必然の結果かね。残念なことだね。

普通 の人なら,白髪も増えるんだけど,注意してテレビを見ている限り,先生にはその傾向はありません。もしかして,染めてるのかな。ともあれ,さすがは政治家。体力も素晴らしいね。




おしまい

by yojiarata | 2014-04-10 21:21 | Comments(0)

三遊亭圓朝 と 五代目古今亭志ん生



ご隠居さん 久しぶりに志ん生さんの登場だね。

***


そういえば,そうだね。

切っ掛けは,国立演芸場で開催された「圓朝に挑む!」 について,” 落語評論家 ” (?) が書かれた記事(4月3日の朝日新聞・夕刊,3面)の記事です。


【評】 国立演芸場 「円朝に挑む!」

圓朝作品 は聴く側にとっても手ごわい。 ・・・・・ 登場人物も非常に多い。人間関係を頭のなかで整理するだけで一苦労だ。

・・・・・ 橘家円太郎の「粟田口霑笛竹(あわたぐちしめすふえたけ)」が良かった。 ・・・・・ 善人が次々にあっけなく殺され,舞台がどんどん変わる。



評者の仰ることに,異存があるわけではないんだけど,誰が,どのような考えで,この企画 「円朝に挑む!」 を立てたかを知りたいね。

もう少し言えば,この記事だけを読むと,圓朝さんの人と言葉が正しく伝わらないのではないかと危惧するんだ。

この記事を書かれた方が,圓朝作品をどれくらい読み込んでおられるのか,五代目古今亭志ん生さん,六代目三遊亭圓生さんの録音を一度でも聴かれたことがあるんだろうかなど気になることが少なくないね。


永年にわたって,三遊亭圓朝全集に目を通し,五代目古今亭志ん生さんが遺した数々の圓朝作品のCDを繰り返し聴いてきた私としては,” ア そうですか” というのが率直な感想だね。


*



圓朝作品を読むだけなのか,それを基にして作られた噺を聴くのかによって,事態は全く異なるよ。


1) 圓朝全集は,これまでに,春陽堂,角川書店,それに 岩波書店(刊行中)から刊行されているよ。私の書棚には,春陽堂版(全12冊,1926-1928),角川書店版(全7冊,別冊1巻,1975-1976)が揃っているけど,告白すれば,実際に通読したことはありません。


複雑で錯綜している圓朝の噺に挑戦し,実に明快で面白い噺に仕上げたのは,五代目古今亭志ん生さんなんだ。

『鶴殺疾刄 (つるころしねたばの) 庖丁 (ほうちょう)

を取り上げてみるよ。

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率直にいって,160ページの及ぶこの一大長編は,百年以上も前の作品であるせいもあり,読むのが一苦労だよ。冒頭の1ページ。斜めに目を通してちょうだい。どう?この文章がスーと頭に入ってくるかい。


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その圓朝全集(春陽堂版)を,枕元に置いて,擦り切れるほど徹底的に読んだ人を,一人だけ知っているよ。五代目古今亭志ん生さんです。文末に記載したウェブ・サイト 「五代目古今亭志ん生 語りの芸術 Ⅱ」に,長女の美濃部美津子さんの ” 証言 ” を載せておいたから読んで下さい。


私が心底感心するのは,それを簡潔にまとめ,山と谷でメリハリをつけ,自らのものにしたのは志ん生さんの力量です。その結果として出来上がった 「御家安とその妹(上,下)」 を聴いてみてよ。見事と言うほかないね。他にも,数々の圓朝作品をCDに遺してくれた五代目古今亭志ん生に大感謝だね。私は,志ん生さんは,”人間国宝 ” に相当する噺家といっていいと思うよ。


詳しいことを知りたい場合には,文末のウェブ・サイト 全部に,目を通してほしいね。


2) 圓朝噺は,演じる噺家の実力が問われるよ。現在,入手できる本格的な圓朝噺は,ほかには,六代目三遊亭圓生さんのCDだけだね。私のCDの棚には,先代・林家正蔵さんの「真景累ケ淵」が入っています。別の噺家による単発的にCD化されたものがあるかもしれないよ。この記事に出てくる橘家円太郎さんの噺がCD化されているかどうかも知りません。


私が,年甲斐もなく,こんなにこだわっているわけは,これまでに私が書いたブログ記事を読んでもらえばわかるよ。

幾つかのサイトにリンクが張ってあるので,それを辿れば,私のコメントが,あながち見当違いでないことを理解してもらえるはずだよ。




三遊亭圓朝と牡丹燈籠  2012 04 11

第11代目金原亭馬生  2012 10 10

五代目古今亭志ん生 語りの芸術 Ⅰ,Ⅱ  2011 06 16 






おしまい

by yojiarata | 2014-04-07 12:59 | Comments(0)

ウエアラブル端末 と 江田島海軍兵学校



ご隠居さん  ヘンテコリンな 題だね。一体,何を書こうというの。

***


二回続けて,昔のことを書いたので,もう一回書こうと思っただけさ。

老化が進んで,物忘れがひどくなってきたけど,何十年も前のことを,ヒョコッと思い出すことがあるんだ。何故なんだろうね。不思議だね。


江田島 海軍兵学校



突然思い出したのは,江田島・海軍兵学校のことです。

海軍兵学校は,1888年(明治21年)以来,広島県の呉市の呉鎮守府に近接した安芸郡江田島町(現在の江田島市)にありました。戦前,江田島といえば,海軍兵学校を意味したんだ。

江田島(えたじま)・海軍兵学校は,全国から優秀な青年が競って志願した超難関校で,日本最高のエリート校だったんだ。

私が国民学校(当時はよばれていました)の頃,太平洋戦争の真っ只中。江田島・海軍兵学校は,当時の若者と憧れだった。とくに,入学試験のむずかしさが授業でも,先生が話題にされました。

江田島・海軍兵学校の面接て,次のようなことを試験官が質問したんだそうだよ。


君は,目が二つあるけど,仮にもう一つ,目があるとすると,どこにあってほしいか


国民学校で授業をされた先生の仰るには,” 正解 ” は,

人差し指の先端



*



70年近くも前のことを,突然思い出させたのは,先日の朝日新聞(3月25日,夕刊一面)に掲載された巨大な記事なんだ。


ウエアラブル端末 日本初も続々

指に,瞳に,未来を装着


ウエアラブルとは,身につけられる端末。身体の色々な部位に装着すれば,スマホと連携した新しい生活スタイルが楽しめるというんだよ。

70年前,江田島の面接官は,こんな時代が来るなんてことなど,考えてもみなかっただろうね。


*



だけど,君はどう思う。そうでなくても,電車の中でも,歩きながらでも,スマホ無しでは生きていけない「スマホ中毒人間」 が満ち溢れている時,これ以上,コンピュータで操られる人間が増える社会は怖ろしいよね。

突然思い出したんだけど,江戸時代の末期,数えきれない数の民衆が,「えーじゃないか」 と 踊り狂ったことがあったよね。あれは,一体,何だったんだろうね。どうして始まり,どうして鎮火したんだろうか。

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「えーじゃないか」 と 踊り狂う民衆


*


20年後,30年後はどうなっているんだろうね。前に書いたボコノンの信者と同じように,頭がおかしくなって,スマホを持ってボコノン教の聖歌「カリプソ」のような唄を唄いながら,踊り狂っているんじゃないだろうね。


また,我らの独裁政権のことを思い出してしまったよ。例えば,「集団的自衛権」。アメリカの尻尾にぶら下がって,ノソノソしていると,気が付いた時には,バンバン鉄砲を打って戦争しているかもしれないよ。200万人近い戦闘員,40万もの民間人の犠牲者がでたあの戦争のようにね。その時になって,こんなはずじゃなかったと泣いても,遅いんだよ。

アメリカは,例えば,アフガニスタンに手を焼き,犠牲者が増え,近く撤収を始めるそうじゃないの。シリアでも,難民の流出に何の役にも立ってないしね。

だんだん,怖くなってきたので,これでおしまいにします。恐ろしいね。


ひとまずおしまい

by yojiarata | 2014-04-04 21:41 | Comments(0)

野球少年  甲子園の一球の巻



野球少年の続編ですか。ご隠居さんも 徹底しているね。

***


昨日,春の選抜高校野球の決勝戦を観ていたら,急に昔のことを思い出したんだ。



昭和44(1969)年8月18日 井上明


昭和44(1969)年8月18日,全国高校野球選手権大会決勝戦で,松山商業は三沢高校と対戦したんだ。

0ー0で迎えた延長15回の裏,三沢は,1死満塁のサヨナラのチャンス。バッターは,キャッチャーの小比類巻だった。ここで井上は3球続けてボールを投げ,0ー3の崖っぷちに立った。あと1球ですべてが終わるこのピンチに,井上は 2球 続けてストライクを投げ,結局 小比類巻を打ち取った。

この試合は,延長18回,0-0で引き分けたんだけど,井上は,最後まで一人で投げ切ったよ。球数は232球。

決勝戦は翌日に持ち越されたんだけど。正直にいえば,このあとのことには,私にはさしたる感慨がないよ。いまも忘れられないのは,0ー3 からストライクを投げたあの時の井上投手だよ。超満員 5万6千の観衆が固唾をのんで一球を見守るなか,井上は想像を絶する冷静さでストライクを投げたんだ。

付け加えると,井上投手は,明治大学,三菱重工業をへて,1975年に朝日新聞に入社し,スポーツ担当記者になったよ。



平成26(2014)年4月2日 中田竜次


今年の選抜の決勝戦は,竜谷大平安(京都)と履正社(大阪)。

平安が4-2でリードした8回裏。一死満塁。ここで,エース・ナンバー1番を付けた中田がリリーフとして登板したんだ。中田には,リリーフ経験がない。いきなり,3球続けてボールとなった。そう カウント 3-0です。

中田は,45年前の井上と同じ状況に追い込まれたんだ。ここから凄いのは,あの時の井上と同じ。2球続けてストライクを投げ,結局,バッターを三振に取ったんだ。続く打者も,ピッチャーゴロに打ち取って,役目を見事に果たしたよ。あのとき,例えば,フォアボールを出していたら,優勝はどうなったかわかりません。


*


井上,中田は,実力があったからこの結果を出せたんだと,君は言うかも知れないけれど,草野球であれ,甲子園であれ,必死に野球をやった者にしかわからない,恐ろしさがあるんだよ。私は,52歳で ” 現役 ” を引退するまで,サードを守っていたんだけど,こういうピンチになると,緊張が先行して,何でもないゴロの処理を誤った「つらい思い出」 が山 のようにあるよ。

昨日の「NHK ニュースウォッチ9」で,大越キャスターが,中田の心境を的確にコメントされていました。大越さんは,東京6大学リーグでエースとして活躍された,野球少年だからね。



昭和35(1960)年4月10日 宮本洋二郎



心に残る甲子園の一球は,他にも数知れずあるよ。

昭和35(1960)年4月10日,春の選抜大会の決勝戦で,米子東高校は高松商業と対戦したんだ。1ー1のまま迎えた9回裏,高松商の主将ショート山口が先頭打者として打席に入った。米子東のピッチャーは宮本だったよ。満員の観衆の緊張が頂点に達したとき,宮本を捉えた山口の打球は,レフトスタンドに飛び込んだ。

マウンドにしゃがみ込んだ宮本の姿が,いまでも目に焼き付いているよ。このとき,私は,1塁側のスタンドにいたんだ。妹が横に座っていました。野球少年の兄2人を見て育った彼女も,いつの間にか野球少女になっていたんだね。

宮本は,早稲田大学をへてプロ野球に進み,巨人,広島,南海を経て,2013年まで,広島東洋カープのスカウトをつとめ,前田健太を発掘しました。


ともあれ,昨日の甲子園は,野球少年を過去に連れ戻してくれたよ。大感謝です。




by yojiarata | 2014-04-03 17:39 | Comments(0)