古典にきく  巻の五  音 と 言葉





『枕草子』 に,1000年前の京都の夜を描いた部分があるよ。


月のいとあかきに,川を渡れば,牛のあゆむままに,

水晶などのわれたるやうに,水の散りたるこそをかしけれ。



清少納言 『枕草子』 (岩波文庫)


あの頃の京都は,都であっても,夜は真っ暗闇で怖ろしかったんだろうな,なんてブツブツつぶやきながら,納得していたんだ。


先週,NHKのラジオ深夜便で,「京ことば」を守って行こういう活動をしておられる会の会長さんが,「京ことば」について話をしておられたのをふと耳にしました。聴くとはなしに聴いていてハッとしたよ。番組に出演された方が,京ことばで,枕草子(私が引用したとは別の部分)を朗読されたんだ。昔から私が,枕草子について抱いていたイメージと全く別の枕草子がそこにあったんだよ。


専門家の先生方が,古典を読まれる時には,いろいろな古文書を発掘し,つなぎ合わせて,解読していくんだろうけど,そこには, という概念が全く入ってないよね。


例えば,このブログで取り上げた奈良,平安時代の文字の部分は,解明が進んでいるけど,あの頃の「都の音の風景」については,知る術がないでしょう。残されている図絵などから,笛や太鼓の音が響いていたことは想像できるけど,例えば,人々が,どんな声で話をしていたのかなど,分りませんね。


貴族たちが,テレビのドラマにあるように,キーキー声で話していたのか,庶民は ・・・・・ なんて考えだすと,雲をつかむようなことになるよ。


私は,音に関連して,一つだけ,思い出すことがあるよ。いつの頃だったか,思い出せないほど前になるけど,金田一京助の息子の金田一春彦(きんだいち はるひこ,1913年-2004年)が,昔の人は,こんな風にしゃべっていたんだというようなことを,(ラジオ)番組で話しておられました。結論として,同氏が結論された歌(和歌だったか?)を,年配の女優さんが朗読しておられました。記憶がないので,印象に残るようなびっくりするような結論ではなかっとと思います。



古文書に聞く 「奈良,平安の音のひびき」 を知るというのは,永遠にあり得ないんでしょうかね。





未完

by yojiarata | 2014-11-20 21:42 | Comments(0)
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