「ハゲ で デブ」 の リベンジ・マッチ



ご隠居さん ヘンテコリンな題だけど,一体何を書くつもりなの。


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去年の秋に引越ししたんだけど,そのとき,いろいろ古い書類などが出てきたよ。

昔は,どの家でも,畳の下に新聞を敷いていたんだ。畳変えのとき,古い新聞を懐かしがって読んでいる様子が,「サザエさん」のマンガに出ていたよ。私も,子供の頃に,経験があるよ。

私は,自分でも呆れるくらい,「物持がいい」んだよ。うちの連れ合いは,全くその反対で,何でも,あっという間に捨てるんだ。世の中には,色々の性格の人間がいて成り立っているんだからね。



今回出てきた新聞の切り抜きは,いま読んでもおもしろいよ。


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ハゲでデブ



ハゲでデブの男はきらいだと,その女優はいった。悲しいかな,私はハゲでデブである。別にその女優が好きだったわけではない。しかし,こうまともにいわれるとお手上げだ。以来わたしはその女優をにくむようになった。

デブのほうはともかく,ハゲのほうは自分の力ではどうなるものでもない。本人の責任によらない欠陥を嘲笑(ちょうしょう)するのは残酷である,とそのときは思った。

・・・・・

ハゲとデブにつきあって十余年,両者になれ親しんでくると,考えがだいぶかわってくる。デブの女はいるが,両者兼ねた女はいない。これはいわば男の特権だ。

先日,ハゲでデブの男はきらいだといった女優を久しぶりにテレビで見た。もちろん彼女はハゲでもデブでもない。そのかわり,おおいたわしや,顔にしわが寄り,目のまわりにくまができているではないか。しかし,わたしは彼女を嘲笑しない。ただ,今でもハゲとデブの男はきらいかと聞いてみたいだけである。


日本経済新聞・夕刊(1979年11月8日)
あすへの話題
志水速雄(評論家)



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これは,傑作ですよ。だからこれまで,ファイルに保存しておいたんだ。

この女優さんは,いまでもテレビに出演されているよ。

現在では,整形手術とメイクの技術が大進歩したせいだと思うんだけど,「顔にしわが寄り,目のまわりにくまができている」ようには見えないよ。むしろ,このほうが,少し変だというべきかもしれないね。昔風の数え方では,ちょうど,古希を迎えられたはずなんだけど。



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たまたま,アメリカ映画の広告が目に留まったよ。題して,


リベンジ・マッチ



監督 ピーター・シーガル
脚本 ダグ・エリン ティム・ケルハー ロドニー・ロスマン
原案 ティム・ケルハー

出演者
ロバート・デ・ニーロ
シルヴェスター・スタローン
ほか


配給 ワーナー・ブラザーズ

公開
アメリカ     2013年12月25日
日本       2014年4月4日

上映時間    113分


スタローンとデ・ニーロが,1980年代に全盛期を誇った2人の伝説の元ボクサー。過去に遺恨を残した宿命のライバル同士が,再びリングで闘う機会が訪れるという筋です。DVDになっているようだけど,私は見ていません。

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なお,原題は 「Grudge Match 」 となっているよ。おたがいに遺恨をもって闘うんだから,リベンジというのは,変だよ。

リベンジ なる言葉は昔から使われていたようだけど,日本で世の中の注目を惹いたのが,ボストン・レッドソックスに移籍した松坂大輔。

リベンジとしておけば,日本人にも 映画を売り込みやすいから,題名を 「リベンジ マッチ」 としたんじゃ,ないでしょうか。


ともあれ,志水速雄による「ハゲでデブ」は,リベンジという 題がぴったりの興味深い傑作だね。







by yojiarata | 2014-06-03 16:48 | Comments(0)
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