4月24日の朝刊によれば,総合科学技術会議に新しい動きがあるとのことであった。 政府会議 科学技術政策の司令塔強化提言 の見出しのあと,有識者議員,「科学技術関係予算戦略」(仮称)の創設と並び, 「総合科学技術会議」 がまとめる科学技術イノベーション総合戦略に盛り込み,政府が6月にまとめる成長戦略に反映させるとある。 日本の科学技術政策については,荒田洋治 『日本の科学行政を問う 官僚と科学技術総合会議』 (2011,薬事日報社)で,公開された資料をもとに徹底的に掘り下げて分析した。 さらに,このブログでも,何回か取り上げた。 日本の科学技術政策 日本の科学技術政策 その2 日本の科学技術政策の最大のポイントは,今後どのような分野に,どれだけの予算を分配するか,提案された計画の予算規模,国際的な視点に立ってみた場合,妥当なものか否かを明らかにすることである。 そのためには,提案されたプロジェクトを国内外の専門家によって審査する,所謂ピュア・レビューを如何にして実行するかにかかっている。すでに,拙書『日本の科学行政を問う 官僚と科学技術総合会議』の第五話 官僚 その虚像と実像(とくに 64-68ページ)で徹底的に議論したように,ピュア・レビュー・システムの確立こそが,日本の科学技術政策が国際的に認められるための必須の最初のステップだからである。 「総合科学技術会議」 のウェッブ・ページをチェックしてみた。 なかば予想していたことであるが,一言でいえば,何も変わっていない。何も変わりそうな気配すらない。残念である。有識者と官僚,その成り行きを冷めた目で眺めている政治家の先生方は,一体何を考えておられるのだろうか。 日本が今後,さらに広い範囲にわたって国際的に高く評価される研究成果を発信するにはどうすべきなのか。この点こそが,総合科学技術会議の最大の使命ではないのか。 繰り返すが,総合科学技術会議の使命は,メンバーの先生方の予算配分を含めた”きれいごと” の議論ではない。
by yojiarata
| 2013-04-25 23:20
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