紅葉が東京の市街地にも下りてきた。落ち葉が舞う木枯らしの師走となった。 木枯らしといえば,二葉あき子さんの ♪ 別れても ♪ を思い出す。 前にも書いたが,私の中学生活は,明けても暮れても,野球とともにあった。戦災で焼け出され,母の実家のある田舎の家を早朝6時にでて,一里(約4キロ)のまだ暗い道を歩いて,入学したばかりの中学に行く。中学と言っても,全焼して校舎はなく,グランドはやけに広かった。仲間が大勢集まっている。授業が始まるまで,布で作ったボールと竹のバットで野球。授業が終わった後は,また野球。薄暗くなってから,田舎の道を歩く。木枯らしの頃の寒さは格別だった。家に駆け込み,コタツに潜り込む。 「空になる凩,雨戸うつ吹雪 ・・・ 」 は,まるで子守唄のように,野球少年だったあの頃を思い出させる。 ほかにも,『水色のワルツ』,『夜のプラットホーム』などを遺した二葉あき子さんは,今年8月16日,心不全のため他界された。今の世にはもはや存在しない上品で透明な声の歌い手だった。 枯葉といえば,シャンソンの『枯葉』がすぐに頭に浮ぶ。手元に,1950年代中頃に録音されたジュリエット・グレコ (1927-) とイブ・モンタン (1921-1991) の CD がある。以前,学会の帰りに立ち寄ったパリの街をフラフラ歩いていたときに見付けたCD屋さんで購入した。 『枯葉』は世界的な大ヒットとなり,その後,ジャズのスタンダード・ナンバーとして,数限りない演奏が録音されている。筆者のCD コレクションでも10枚は下らない。筆者がよく聴くのは,次の一枚(1958年録音)です。理由はとくにありません。演奏者の組み合わせ,その音色がよいなと思っています。 イブ・モンタンは,多くの映画にも出演している。なかでも,『恐怖の報酬』は,怖ろしくも素晴らしい,忘れがたい作品だった。 淀川長治さんなら,”こわかったですねー恐ろしいかったですねーだけと,イブモンタンは素晴らしかったですねー”とおっしゃるに違いない。
by yojiarata
| 2011-12-05 22:03
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